写真:PIXTA

ウクライナ問題、FRBの利上げ動向によって、世界的に株式市場は不安定な状態が続いていますが、フィリピン株式市場は、2月15日終値で7,324と、再び7,500を割り込む水準に下落しています。いまだコロナな収束の見通しが立たないなか、コロナで大きな打撃を受けた企業について、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターの家村均氏がレポートします。

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2021年9月、フィリピン航空破産法申請

 

フィリピン航空(PAL)は、日本の民事再生法に当たるチャプター11の申請から4ヵ月後の12月に3,297万ドル(17億ペソ)の利益を上げ、11月の1,167万ドルの損失から黒字転換しました。

 

PALの最高財務責任者であるNiloThaddeus P. Rodriguez氏が12月末にニューヨーク南部地区の米国破産裁判所に提出した報告書によると、同社の12月売上は1億8,382万ドルで、11月の1億4,348万ドルから28.1%増加しました。

 

内訳を見ると、旅客収入は11月の9,609万ドルから37.7%増加して1億3,227万ドルになり、貨物収入は4,404万ドルから4%減少して4,227万ドルになりました。その他の付随的収入は11月の428万ドルから57.5%増加して674万ドルになりました。

 

2021年9月3日のチャプター11の申請から12月31日までの損失の合計は3,612万ドルに達しています。

 

昨年12月31日、同社は、「バランスシートが強化された、より効率経営の航空会社になったと発表し、2020年にチャプター11を申請した多くの航空会社が、1年以上経過した今もチャプター11のプロセスにとどまっている中、4ヵ月以内で財務リストラを無事に完了した」と述べました。

 

また、2021年12月17日に米国の事業再構築裁判所によって承認された同社の事業再生計画の中では、20億ドルを超える恒久的なバランスシートの縮小を、既存の債権者からの債権放棄および事業運営に関する種々契約の見直し・改定で実施し、さらには、PALの過半数株主から5億500万ドルのエクイティーおよび長期のデットファイナンスによって流動性を提供するとしています。

 

上記事業再生計画は、主要な債権者である航空機のオーナー、各種機器メーカー、保守・修理会社などのサービスプロバイダー、および資金レンダー等債権者の100%合意投票によって受け入れられました。

 

また、今年1月、PALは、運用担当上級副社長であるスタンレーK. Ng大尉が、ギルバートF.サンタマリア氏の後任として、新社長・CEOに任命されたと発表しました。

 

同社は、中国本土の複数都市への定期便の再開、オーストラリアへのフライトの完全な定期化、イスラエルへの新しい運行サービスの開始など、渡航禁止令が緩和され国境が再開するにつれて、より多くのルートを復元し、フライト頻度を増やすことを目指していると述べています。

 

同社は、今年は2億2,000万ドル、2023年には3億6,400万ドルの営業利益を生み出すと見込んでいます。

 

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※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

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