(※写真はイメージです/PIXTA)

先週末、国立大学の前期日程試験が実施されました。次はついに自分たちだ、と来年に向け気合を入れる高校二年生や、既に浪人を決め前を見ている受験生も多いようです。特に「医学部受験」となると多浪生も多く存在します。ここでは挫折を経験してナーバスになっている受験生に対し「親御さんができるメンタルケア」について、医学部受験専門予備校メディカ代表の亀井孝祥氏が解説していきます。

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    受験生が面接で語る、「医師を志した理由」は…

    ●医師を目指すと決めたときの「ワクワク感」を思い出させる

     

    医学部を目指した頃の初心に帰ることも、やる気を回復させるのに効果的な手法です。

     

    たとえば、面接試験でもよく聞かれる医師志望理由について、「もし面接試験で医師志望理由を聞かれたら、あなたはなんて答えるの?」などと言って、親子で一緒に、「それでは伺います。あなたの医師志望理由は何ですか?」と話してみるのはいかがでしょうか。

     

    医師を志す理由は人それぞれですが、医学部の面接試験で受験生が説明するのは、次のような内容です。

     

    「家族に医師や医療従事者がいる。働く姿を見て、自分も目指したいと思った」

    「家族や友人が、重篤な病気、または不治の病と呼ばれるもので長患いしているため、自分が医師となって助けてあげたいと思った」

    「『国境なき医師団』などの医療系NGOに所属する医師たちが、世界各国で活躍する姿を見て憧れを持った」

    「テレビで放映された医療ドキュメントや医療ドラマを見て、高い医療技術を持つ医師やへき地医療などに興味を持った」

     

    初心を思い出させるのに打ってつけの機会ですよね。昔を思い出すことで、医師を志すことを決めたときの気持ちがよみがえり、「過去の自分を悲しませないように頑張ろう!」という気概が復活してきます。面接試験の準備は、受験勉強の一環でもあるので、「意味のあることをしている」「先に進んでいる」という前向きな気持ちにもなれて、一石二鳥でしょう。

     

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    「挫折」することは成長の一歩

    医学部受験生にとっては医学部に入ることが当面の目標であったわけですから、受験に失敗して進学できなかった場合、「挫折」という心の痛みとなります。そしてその痛みを癒さなければ、トラウマとなって受験生の心に居座り続けてしまう可能性もあります。

     

    だからこそ、親御さんや家族は、しっかりと受験生の心に寄り添い、サポートしていただきたいのです。「あのとき、ああしてあげれば良かった。もっとこうしてあげれば良かった。」などといった、後悔だけはしたくないですよね。

     

    精一杯努力したのであれば、挫折は無意味ではありません。チャレンジすることが大切なのですから、恥ずかしいことは何もありません。挫折こそ、努力の証でもあるのです。受験生の努力を労い、褒めてあげてください。

     

    また、挫折することによって新たに見えてくるものもあります。たとえば、「入試問題の解答を見て、自分の苦手な分野がはっきりわかった」とか、「社交的だと思っていたのに、面接で緊張してしまう人見知りな自分に気づいた」など、弱点発見のきっかけになるのです。

     

    挫折は成長するために必要な人生経験であり、それを克服する知恵と勇気さえあれば、さらに大きな人間になれます。「ここで終わり」と萎縮せず、未来へ向かうための一歩と考えれば、挫折することも励みとなります。

    次ページ医学部受験生には、30代や40代以上の人も

    本記事は、医学部受験サクセスガイド『集中メディカ』ホームページのコラムを抜粋、一部改変したものです。

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