コロナ禍で社会は大きく変わり、「東京で初めて転出超過」と大きく報道されました。そのような流れは、日本だけではなく、太平洋を隔てたアメリカでも見られるといいます。みていきましょう。

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コロナ禍で「都市から郊外へ」の動きが加速

 

新型コロナウイルス感染症は、日常を大きく変えました。そのひとつが「住まいの考え方」ではないでしょうか。

 

コロナ禍前は、朝、会社に通勤して、夜に自宅に帰るというのが日常でしたが(もちろん時間帯はまちまちですが)、コロナ禍には出社の必要がなくなった人が多くいました。この2年、1度も会社に行っていない、という人も珍しくありません。

 

そうなると、通勤時間、通勤距離を考えて、わざわざ高い家賃を払いながら、狭い家に住んでいることが、当然、馬鹿らしくなります。子育て中であれば、もっと環境の良い場所を……と考えるでしょう。そのような流れから、コロナ禍前とは異なる人口移動が起きたのです。

 

総務省『住民基本台帳人口移動報告』によると、2021年、転入者数が最も多かったのは「東京都」で42万0,167人。一方で転出が最も多かったのも「東京都」で41万4,734人でした。

 

また東京都特別区は、コロナ禍前は5万~7万人程度の転入超過だったのが一転、1万4,828人の転出超過となりました。

 

月別にみていくと、コロナ禍前、転出超過となる月はゼロではありませんでしたが、それでも2016年1月以降、2017年1月、2018年1月、2019年1月、2019年9月、2020年1月の5回のみ。しかし1回目の緊急事態宣言以降、転入超過となったのは、2020年4~5月、7月、2021年4~5月のみ。2022年1月の人口は967万1,141人で、前年同月比4万9,891人の減少となりました。

 

【東京都23区…コロナ禍の「人口増減」】
2020年1月:▲ 944人
2020年2月:4,092人
2020年3月:953人
2020年4月:27,975人
2020年5月:16,102人
2020年6月:▲ 2,139人
2020年7月:1,005人
2020年8月:▲ 4,295人
2020年9月:▲ 9,507人
2020年10月:▲ 9,485人
2020年11月:▲ 7,741人
2020年12月:▲ 1,424人
2021年1月:▲ 3,079人
2021年2月:▲ 5,019人
2021年3月:▲ 9,505人
2021年4月:11,175人
2021年5月:896人
2021年6月:▲ 4,587人
2021年7月:▲ 2,945人
2021年8月:▲ 5,788人
2021年9月:▲ 5,456人
2021年10月:▲ 8,114人
2021年11月:▲ 7,918人
2021年12月:▲ 4,122人
2022年1月:▲ 8,508人

出所:東京都発表数値より算出

 

都心にいた人々がどこに移動したのか。2021年、東京都からの転出者が向かう先で最も多かったのは「神奈川県」で9万6,446人。ほか「埼玉県」が7万8,433人、「千葉県」5万8,485人と続きます。

 

コロナ禍、何かあれば都心に行ける、ちょっと郊外が好まれています。

 

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