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ちょっと放置すると、記録すべきことが蓄積するので…
会計業務は、スケジュール管理が肝になります。
会社では日々取引が行われ、お金が動いていますから、放っておくとどんどん記録すべきことが溜まっていきます。なかには、「税務申告に合わせて、1年に1度、まとめて会計業務をしている」という会社もあると思いますが、これではいくらなんでも遅すぎます。とはいえ、毎日会計を記録するのも最初は大変です。
そこで「最低限、月に1度は会計をチェックする」ということが重要になります。毎月、1カ月分の取引などを記録し、チェックできるよう、会計業務をスケジューリングするのが望ましいです。
最低限、月に1度会計をチェックしていれば、社内で起きている問題に対して、ほぼタイムリーに対応できます。
例えば、売上高と売上原価を比べると、実は損を出している商品が見つかるということが起きがちです。商品は売れているので、一見利益を生んでくれているように思えるのですが、売上の金額を超える売上原価がかかっているので、実は損をしています。
こんな取引を見つけたら、すぐに改善しなければいけません。商品の単価を上げるのか、仕入れ値を下げてもらうよう交渉するのか、はたまたその商品の取り扱いをやめてしまうのか。どの方法を取るにせよ、改善が早ければ早いほど、会社が被る損失を抑えることができます。
もし、1年に1回だけ会計を見ていたら、問題が解決するまでに、数ヵ月も余計にかかり、そのあいだに起きてしまった損失は取り返しがつきません。
というわけで、とにかく「月1回」というスケジュールを意識していただきたいのですが、月に1回チェックをするとなると、遅くとも翌月10日までには会計処理を終える必要があります。
体制の整備は経理担当者任せにせず、社長の行動する
こうした体制を整えるには、社長自らがリーダーシップを発揮する必要があります。経理担当任せは禁物です。
会計業務は、経理部門だけでなく、さまざまな部署に関係する話ですから、会社全体として業務フローを見直し、変えるべきことは変えていかなくてはいけません。
例えば、「営業担当からの経費精算の連絡が遅いから、会計を締められない」という問題があるなら、営業担当にもスケジュールを意識させる必要があります。会計ソフトと連携できる経費精算ソフトを導入して、営業担当が入力した経費精算の情報を会計ソフトと連携させるような仕組みを取り入れるのも有効です。
取引先から請求書が届くのが遅いなど、外部の影響で会計に遅れが生じることもあると思います。この場合、相手に合わせていてはいけません。例えば、「○日までに届かない請求書は、翌月の支払いにする」といったルールを示し、徹底して期限を守らねばなりません。
このような取り組みは、すべてタイムリーな経営判断に活かすためです。「月に1回の会計チェック」を意識して、会計業務に取り組むことが重要です。
小形 剛央
税理士法人小形会計事務所 所長
株式会社サウンドパートナーズ 代表
税理士・公認会計士
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