(※画像はイメージです/PIXTA)

企業として「グループホームを建てて運営事業者に貸す」ビジネスを展開するうち、蓄積したノウハウを活用して施設運営の当事者へと方向転換したある企業の取り組みから、障がい者福祉施設の開設実現までのノウハウと、現場で展開された実際の交渉を見ていきます。

事業計画書を作り、金融機関に融資打診

次にすべきことは、この事業にかかる費用の調達です。金融機関からお金を借りるために事業計画書を作りました。

 

事業計画書をどこまで緻密に作れるかで、融資が下りる・下りないが決まります。これまでも何度も事業計画書を作り融資を通してきた実績があることから、資金収支の細かい表まで作り、万全の態勢で臨みました。融資打診先の金融機関は2行です。1行は北陸地方の地銀、1行は地元の信用金庫です。

 

いずれも担当者や支店長サイドに関しては「ぜひやってほしい」と言ってもらうことができましたが、本部では渋られました。わが社にはかつて多額の負債があったのですが、筆者が就任してから大幅な財政立て直しを行い、借入金の返済が進んできたところだったのです。そんななかで新たな投資をするとはいかがなものか、そして完全な新規事業でノウハウがないのに大丈夫なのか、と言われてしまいました。

 

結果、数ヵ月かけてこの事業が成功する根拠となる資料を数回提出、そのたびに質疑応答を繰り返すことで、本部からの了承を得ることができました。

 

本決まりになったのは2021年7月初めです。最初の融資打診からゆうに3~4ヵ月は経っていました。

 

次回は、融資打診と前後して、県庁と市役所それぞれの障がい者福祉を担当する部署への事前相談について解説します。

 

 

岩崎 弥一
アルカスコーポレーション株式会社 代表取締役
南砺市商工会 副会長

 

2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」

 

■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ

 

■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】

 

■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

安定した収益&社会的意義を両立 福祉施設経営のススメ

安定した収益&社会的意義を両立 福祉施設経営のススメ

岩崎 弥一

幻冬舎メディアコンサルティング

2012年の障害者総合支援法の制定により、障がい者が暮らす場所として「障がい者グループホーム」の数が増えることが期待されていましたが、供給率は障がい者の総数に対してわずか6%というのが実態です。そこには、あまり利益…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録