現物の「買い」と一般信用の「売り」を活用
人気の優待株は権利確定日以降、株価が優待や配当分下落する傾向にあるため、できるだけ株価が割安なタイミングで買付しておくことが望ましいと考えます。
しかし、すでに権利付最終日の直前で株価は割高、それでも優待の権利を獲得したい、かつ価格変動リスクも避けたいという際には現物の買いと一般信用の売りを活用した「つなぎ売り」の手法が有効です。
つなぎ売りの手法は、一般的に次のような流れとなります。
(1)権利付最終日の寄付き前に、現物買いと一般信用売りで、同銘柄を同株数、成行で発注します。
(2)9時の取引開始後、現物買いと一般信用売り注文が同値段で約定します。その日は売買せずに翌営業日まで持越します。現物買いのポジションにより優待獲得の権利を取得します。
(3)翌営業日に一般信用の売り建玉に現物で保有する株式を「品渡」して決済します(カブドットコム証券の場合、品渡は手数料無料)。
(4)手数料コスト(現物買付手数料・信用売建手数料・信用売建貸株料)のみで優待品が手に入ります(※配当調整金には注意)。
【図表】(例)A社株50万円分のつなぎ売りで優待の権利を狙う場合
両方の保有で株価が変動しても損益ゼロ!?
この方法であれば、株式を保有している期間は実質1泊2日となります。現物買いと一般信用の売建の両方を保有するため、株価が変動しても、損益は0円となります(諸経費は考慮せず)。つまり価格変動リスクなしに、手数料などの一定のコストのみで優待の権利を取得できます。
つなぎ売りを行うためには、信用口座の開設が必要です。信用取引は現物取引とは異なる取引ルールとなっており、証券会社で口座開設基準などを設けていますので、事前に確認してから口座申込みをしてください。