前回は、アップル社の事例で「海外子会社」を活用した節税戦略をご紹介しました。今回は、スターバックス社の事例を見ていきます。

イギリスのスターバックスは14年間利益なし!?

今回はスターバックスを取り上げます。同社は1998年にイギリスへ進出して以来、同国で累計30億ポンド(約5100億円)の売上を上げていましたが、法人税の支払いは860万ポンド(約15億円)のみで売上の約0.3%にとどまっていました。

 

イギリスでは過去15年間のうち14年間にわたって利益が出ていないということになっていました。これはフランスとドイツでも同様で、同社は両国でも過去10年間、税金を納めていなかったのです。これはどういうことでしょうか。

 

スターバックスがイギリスなどで採用した節税手法は下記の図表とされています。

 

【図表】スターバックスのグローバル節税スキーム

各国の利益を優遇税制のあるスイスに集結

スターバックスにはスイスに子会社があり、そこで全世界のスターバックスのコーヒー豆のうち、75%の取引を行っています。このスイスの会社は、スイスの法人実効税率12.5%で課税されていますが、この低い税率はスイスのカントン(州)における優遇税制を利用する結果です。

 

同社はコーヒー豆を輸入して焙煎した後(焙煎はオランダの別子会社が行う)、原価に20%の利益を上乗せして、全世界のスターバックス(各国の販売会社)に販売します。

 

これによってイギリスのスターバックスのみならず、世界中にあるスターバックスは、最初から原価に20%のコストを加えたコーヒー豆を購入する形となり、現地での売上のなかの当該部分がスイスの子会社に移転することになります。

 

もし、この20%分がなければ、その分の利益は販売国での法人税課税対象になりますが、このグローバル節税スキームによって、その利益は実効税率12.5%のスイス子会社に移転されるのです。

本連載は、2014年10月1日刊行の書籍『究極のグローバル節税』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

本連載の内容に関しては正確性を期していますが、内容について保証するものではございません。取引等の最終判断に関しては、税理士または税務署に確認するなどして、ご自身の判断でお願いいたします。

究極のグローバル節税

究極のグローバル節税

古橋 隆之 + GTAC

幻冬舎MC

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