(※写真はイメージです/PIXTA)

欧米で株式や債券と同じように投資対象として人気を高めている「ワイン」。今回は、コート・ド・ニュイ最大の産地であり、「ブルゴーニュの王」と称される「ジュヴレ・シャンベルタン」のワインに焦点をあてます。

「最高の畑」≠「最高のワイン」

12.9haのシャンベルタンの畑は土地台帳上、55の小区画に分けられ、約25名に分割所有されています。

 

生産者にはアルマン・ルソー(2.2ha)やルロワ(0.5ha)、ドゥニ・モルテ(0.15ha)やドメーヌ・デ・シェゾー[ドメーヌ・ポンソが耕作・醸造](0.14ha)といった秀逸な生産者も含まれ、感動的なワインを生み出していますが、こうしたワインはごく少数派で一般消費者の目に触れることはほとんどなく、高級レストランのセラーに消えてしまいます。

 

日本の小売店頭でみかけるシャンベルタンのほとんどは残念ながら、商業主義に寄った、シャンベルタンとは名ばかりのワインで、その価格に見合った価値がみつかることはほとんどありません。

 

これに対し、個人的にもっとも信頼を置いている特級畑は、面積が最小のグリヨット・シャンベルタンで、9名の所有者にはドメーヌ・フーリエやデ・シェゾー[ドメーヌ・ポンソとドメーヌ・ルネ・ルクレールが別々の区画を耕作・醸造]、クロード・デュガやジョゼフ・ロティといった最良の生産者が名を連ね、高水準のワインを生み出しています。

 

また、地勢の優位性が認識されていながら、「シャンベルタンやクロ・ド・ベーズに隣接していない」という理由だけで1936年の原産地統制呼称法で一級畑とされたクロ・サン・ジャック(6.7ha)は、5名の所有者(ドメーヌ・アルマン・ルソー、ルイ・ジャド、フーリエ、シルヴィ・エスモナン、ブルーノ・クレール)すべてが優良な生産者で、流通しているワインの平均点を取れば、明らかにシャンベルタンよりも優れています。

 

シャンベルタンに2.2haという最大の区画を所有するドメーヌ・アルマン・ルソーは、ジュヴレ・シャンベルタンを代表する伝統派の生産者ですが、オーナーのエリック・ルソーは一級畑のクロ・サン・ジャックを特級畑のリュショット・シャンベルタンやマジ・シャンベルタンよりも上質のワインだと考えており、クロ・サン・ジャックの熟成に80%程度、シャンベルタンとクロ・ド・ベーズに100%の新樽を用いる一方、他のグラン・クリュには新樽を用いていません。また、ドメーヌ・アルマン・ルソーでの試飲では常に、クロ・サン・ジャックはシャンベルタンやクロ・ド・ベーズの直前、つまりリュショットやマジのあとで供出されます。

 

堀 賢一
Top Lot  ワインオークション アドバイザー

 

 

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