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今年の課題は「金利の変動性」

前回のレポート(今年の課題、長期の課題、そして、次にできること)は、今年の課題として「金融市場の変動性」を取り上げ、解決策のひとつとして「米国ハイ・イールド債券」を提案しました。そもそも米国ハイ・イールド債券は、長期でみて、リスク・リターンの効率が高い資産であり、それゆえ、ポートフォリオの効率性を高められる資産と考えられます。

 

今回は、今年のもうひとつの課題として「金利の変動性」を取り上げます。パンデミック後の金融緩和や金利の低下が、バリュエーションや資産価格の上昇につながっており、逆に、今後の主要な中央銀行による引き締めによって、資産価格に悪影響を与える可能性が考えられます。

 

[図表1]米国成長・割安株式の12ヵ月先予想PERと米国10年国債利回り
[図表1]米国成長・割安株式の12ヵ月先予想PERと米国10年国債利回り

 

できることのひとつは、景気拡大の継続による収益機会を得ながら、ポートフォリオの金利感応度を減らしておくことでしょう。

米国大型成長株式の金利感応度はマイナス

[図表2]は、主要な資産クラスの、米国10年金利に対する感応度をみたもので、「経験的デュレーション」に似たものです(→直近52週)。

 

【左から2番目の赤い棒】で示す米国大型成長株式の金利感応度はマイナスであり、言い換えれば、米国大型成長株式はこのところ「金利上昇時にリターンがマイナスになる傾向(※)」があります。逆もまたしかりです。

※読み飛ばしても大丈夫です。ただし、米国大型成長株式のマイナスの金利感応度(=傾き)は、標準誤差が大きく、統計的に有意ではありません。サンプルのなかには、「景気が良くて、金利上昇・株上昇」となるデータも含まれているためです。

 

したがって、米国大型成長株式のポートフォリオに、【水色の棒】で示す米国債や米国投資適格社債を合わせ持っても、どれも金利上昇時に下落する傾向を持つため、金利上昇に対する分散効果に乏しい状況です。

 

[図表2]主要な資産クラスの、米国10年金利に対する感応度(直近52週)
[図表2]主要な資産クラスの、米国10年金利に対する感応度(直近52週)

 

本来は、成長株式と割安株式の相対株価(=割り算)の変化率などを用いるべきですが、「見た目や議論のわかりやすさ」や後段のポートフォリオ試算(=足し算)のために、各資産単体の変化率に対して、金利感応度を計算しています。)

 

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