(※写真はイメージです/PIXTA)

2020年5月に金融商品取引法が改正されて誕生した「デジタル証券(ST:Security Token)」は、ブロックチェーンで管理されるデジタル金融商品のことを指します。このデジタル証券により、株や債券、不動産だけでなく、宝飾品や食品など、従来手軽に売り買いできなかった事業への投資が可能となりました。今後ますます広がっていくと予想されるデジタル証券の可能性について、One Tap BUY(現PayPay証券)を創業し、現在はHash DasH株式会社取締役の三好美佐子氏が、詳しく解説します。

「デジタル証券」と「社会貢献」は相性がいい

そういった自由さから、純粋に金銭的なリターンを追求する目的のみならず、社会貢献的な、例えばSDGsのテーマを織り込んだファンドや、どこかの街や人を支援したり、成長を促進したりするようなファンドも作りやすいと思います。

 

もともと、株式や債券など伝統的な投資も、自分が好きな、価値があると見込んだ、成長を期待している国や企業を選んで行うものであり、その投資資金がその投資対象を育てるといった点で、応援する、サポートする意味合いを含むものではあります。

 

それをもっと身近で、もっと多様に、より直接的に社会貢献になる投資ができることは、デジタル証券の魅力の一つになっていくのではないでしょうか。

 

「葉山の古民家宿づくりファンド」の例

それでは、ブロックチェーンを使って販売された「テーマ性をもった投資商品」の実例をご紹介します。

 

「デジタル証券」ではまだ事例が少なく、マンションや倉庫を投資対象としたものが世に出ていますが、金融商品取引法の管轄下ではないST(セキュリティトークン)としては、2019年11月に「葉山の古民家宿づくりファンド」が募集されました。

 

このファンドは、神奈川県三浦郡葉山町にある1軒の古民家を再生させるために資本を募ったもので、この投資は空き家を地域の資産に変えるモデルケースとして、全国の空き家問題の解決への切り口を提示する意義を持ったものでした。

 

これには、SDGs11(住み続けられるまちづくりを)、SDGs12(つくる責任つかう責任)の具現化であるとしています。

 

もうひとつ、デジタル証券やSTではありませんが、ブロックチェーン関連でトークン化の例としてちょっと面白いものがあります。

 

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