写真:PIXTA

欧米株価市場のような最高値更新レベルまで回復が見られなかったフィリピン。そのため世界とは少々違った動きをみせていました。そのようななか各種経済指標は予想を上回り、期待感が膨らんでいます。一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターの家村均氏のレポートです。

注目すべきは「銀行」と「通信」

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ここにきて、BDO銀行(BDO)、バンクオブフィリピンアイランド(BPI)、メトロバンク(MBT)のトップ3行を中心に、銀行セクターが脚光を浴びています。た。BPIは2019年11月5日以来の高値水準となり、5億6122万ペソという強い出来高が伴っています。しかも、この出来高はBPIが取引してきた20日平均の5倍であり、すべての移動平均線が完全に揃っており、この上昇相場が今後継続することを強く示唆しています。

 

今年は貸倒引当金の減少や融資の伸びの回復が期待され、銀行株が好感されています。また、金利の上昇に伴い、純利益も着実に改善すると見られています。

 

アナリストのコンセンサス目標株価は106.77ペソ(2/1終値98.1ペソ)。BPIのBloombergコンセンサスレーティングは、20人のアナリストから4.4とされています。2022年の予想PERは19倍、PSRは1.5倍になります。

 

通信セクターを見ていきます。一般的には、通信セクターは、いわゆるディフェンシブセクターという位置づけになりますので、今世界的に株式市場において、グロースからバリューやディフェンシブへのシフトが起きている中で、注目されるセクターです。ただ、フィリピンにおいては、DX化の中心プレイヤーが通信会社となりますので、ディフェンシブかつグロースの顔を持つ外せないセクターと私は考えています。

 

また、配当率が高いのも魅力です。

 

PLDT(TEL)の子会社・スマートコミュニケーションズ株式会社 (以下Smart)は、2021年に全国で固定網とモバイル網を拡大しました。PLDTの子会社スマートのブロードバンド回線事業は73%拡大して74万3700キロメートルとなり、契約住宅数は2020年末の900万戸から約1400万戸に拡大しました。

 

また、スマートは5G基地局を75,400台に増やすとともに、国内最速の5Gモバイルネットワークを構築しています。フィリピンでもリモートワーク、オンライン授業などが一般化するニューノーマル社会においてPLDT(TEL)は、5G分野で先行しています

 

 

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※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

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