新型コロナウィルスで苦しむ中小企業・中堅企業に対し、1兆円規模の予算をもって支援する制度、「事業再構築補助金」。幅広い業種の事業者が応募していますが、昨今のアウトドアブームを受けて、アウトドア分野で申請・採択に至る人も少なくないようです。アウトドアビジネス専門の社外CFO・村瀬功氏が、「事業再構築補助金」の採択傾向や採択事例、事業計画のポイント等を解説します。
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コロナ禍で苦しむ中小企業を救う「事業再構築補助金」
新型コロナウィルスの影響を受けて、今多くの中小企業・中堅企業が売上を落とし、苦しい経営を強いられています。
そのような中で、新型コロナウィルスで苦しむ中小企業・中堅企業に対して1兆円規模の予算をもって支援を行う制度が運用されています。
それが事業再構築補助金です。
新分野への展開や業態変換を行う取り組みについて、事業計画が採択されると、その投資・費用について一定の補助を受けることができる制度です。
新型コロナウィルスの影響を受ける等により売上が落ち込んだ事業者が、リスクを取って新規事業への進出することに対して、国が積極的に支援を行っています。
補助額は、通常枠においては従業員数ごとに上限額が異なりますが、従業員数が51人以上の会社では上限が8,000万円になります(図表1)。なお、特別枠での上限は1億円となっています。補助率は、中小企業の場合は2/3、中堅企業の場合は1/2となります(図表2)。
よって、仮に従業員数51名以上の中小企業においては、通常枠により、「総額1億2,000万円の投資に関してその2/3である8,000万円の補助金申請が可能」となります。
すなわち、新規事業のために要する投資額のうち、その2/3相当について、数千万円~1億円の規模で、国から補助金を受けることができます。
事業再構築補助金の予算は、2022年度については1兆1,485億円で運用されており、来年度2023年度についても6,123億円の予算化がされることが公表されています。
各回2,000億円程度の規模で事業計画が採択され、2023年度も第8回まで公募が継続するものと予想されます(図表4)。
株式会社SOTO CFO 代表取締役
公認会計士、認定事業再生士
1980年富山県生まれ広島県育ち。東京大学経済学部卒。社内にCFO(最高財務責任者)が居ない中小・ベンチャー企業に対して、社外の立場からCFOの機能を担う、アウトドアビジネス専門の社外CFO。
公認会計士として監査法人・会計コンサルティング会社で計11年実績を積んだ後、国内最大手スキー場運営会社に経理・IPO実務責任者として参画しIPOへ向けて邁進。ところが50年に1度と言われた大暖冬に見舞われ、一転して危機的状況を迎える。スポンサーから大型資金調達を行い難局を乗り越えた後、CFOとして会社の再建を支えた。その後国内大手合宿施設運営会社及び子会社の国内最大手キャンプ場運営会社のCFOを務め企業成長を推進した。
2021年に「社外CFO」として独立。企業経営をファイナンス・コーポレート面からバックアップし、社長のよき参謀・相談相手となっている。成長企業の財務マネジメント・資金調達・IPO準備の要諦を一気通貫で分かりやすく伝え、ともに手を動かし伴走するスタイルは、CFO経験者ならではと高い評価を受けている。
「豊かな自然の中での非日常体験が人生を豊かにする」と価値を信じ、アウトドアビジネスの健全な発展に寄与することが自らの使命と感じている。
【株式会社SOTO CFO(https://sotocfo.co.jp/)】
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