採択率は「約50%」…第1~3回目公募の採択傾向
直近の公募である第3回公募について、採択結果を見てみましょう(図表5)。
応募件数は20,307件あり、このうち申請要件を満たしたものが18,519件、そのうち9,021件が採択されました。
すなわち、申請件数のうち約50%が採択されている結果であり、これは相当程度高い確率で採択を得ています。この傾向は第1回公募から第3回公募に至るまで同様の傾向が継続しています。
次に事業者の業種についてですが、幅広い業種の事業者が応募し、採択になっています(図表6、7)。特定の業種が採択されやすい、採択されにくいという偏りは見受けられません。
アウトドアビジネスの事業再構築については、宿泊業や飲食サービス業事業者の割合が相当程度あるものと推測しますが、それらの業種の事業者についても事業再構築補助金の採択を勝ち取っている事例が多いことが見られます。
これらの傾向も、第1回公募から第3回公募に至るまで同様の傾向が継続しています。
「アウトドア分野の事業計画」の採択件数が大幅増加
毎回9,000件前後の採択事例がある中から、公表されている事業計画の概要を独自に調べて集計したところによると、毎回200~300件ほどがアウトドア分野の事業であることがわかりました(図表8)。
その中でもキャンプ場やグランピングを新規で始めるという計画が多く、キャンプ場であれば40~60件前後、グランピングは60~100件前後の事業計画が毎回採択を得ています。
キャンプ場・グランピングについては、昨今のブームに乗り、補助金を活用して新規展開を始める事業者が増えています。第2回公募においては第1回公募から比べて採択数が大きく増加し、第3回公募においても第2回公募の採択数と同意水準の採択数となっています。
事業再構築補助金申請におけるアウトドア分野(特にキャンプ場・グランピング)の人気の陰りは今のところ見られておらず、また補助金審査上も、「アウトドア分野の採択が増えたから絞ろう」といった判断もなされているようには見えない、というのがこの結果を見た上での私の所感です。