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アナログな不動産業界を救う「不動産テック」
「不動産テック」について語る前に、まずは不動産業の現状について説明しましょう。
不動産に関わる代表的な国家資格といえば「宅地建物取引士(宅建士)」ですが、この試験科目の大半は法律関連で、契約から引渡しまでの流れといった、実務に即した内容はほとんどありません。
試験に合格したからといって、すぐさま契約業務、とくに重要事項説明(重説)等をやりこなすことはできません。やはり、現場で経験を積むことが重要です。宅建士資格を持っていても、実務教育は資格取得後の登録講習程度。物件案内等の接客業務はそれなりにできるようになっても、契約業務はベテラン社員の役割であり、新人には任せられません。
先輩社員も多忙で、重説書類の作り方を手取り足取り教えてもらえるケースばかりではありません。そのうえ、売主・買主または貸主・借主間の条件交渉は案件ごとの差が大きく、マニュアル化できません。
このような背景から、多くの不動産業者は一つひとつの取引案件に対し、常にアナログ対応を続けることになりました。不動産業界に旧態依然とした商習慣が多いもうひとつの要因として、従事者の年齢層が高いこともあるかもしれません。
そしてついに、不動産業界のあまりのIT化への無頓着ぶりを危惧した複数のIT系企業が先導役となり、「不動産テック」構想が建ち上がりました。