前回は、「秘密証書遺言」と「公正証書遺言」の特徴や、それぞれのメリット・デメリットについて説明しました。今回は、公正証書遺言を作成する際の流れなどを見ていきます。

まずは「2人の証人」の確保が必要

公正証書遺言は、以下の手順で作成します。

 

①2人の証人を確保した上、公証役場に予約を入れる

 

証人2人と予定をすり合わせて公証役場に電話をし、遺言書を作成する日の予約を取ります。

 

②予約の日に公証役場で遺言書を作る

 

予約した日に、遺言者と証人2人が公証役場に出向いて、公正証書遺言を作成します。作成の流れは以下の通りです。

 

1.遺言者が口頭で、遺言の主旨を公証人に説明する。

 

2.1の内容をもとに、公証人が遺言書案を作成し、遺言者と証人に見せて、読み聞かせをする。

 

3.公正証書遺言の原本に、遺言者と証人2人が署名・押印する。

 

4.公証人が署名・押印をして完了。公正証書遺言の正本、謄本を受け取る。なお、原本は公証役場に保管されます。

「弁護士同伴」のほうが作業がスムーズに進む

こうして見ると、少々ハードルが高いように感じられるかもしれません。こんなときこそ、弁護士等の法律の専門家を活用してほしいものです。

 

そうすれば、遺言の内容をあらかじめヒアリングして草案も作っておいてもらえますし、公証役場の予約も代わりにしてもらうこともできます。弁護士が複数いる法律事務所であれば、弁護士や法律事務所の職員が証人を務めてくれるので、自分で証人になってくれる人を探したり、お願いしたりする必要もありません。

 

また、公証役場にいる公証人の数は大きな所でも3人程度で、常に事務処理に追われている状態です。弁護士同伴の方が作業が速く進むので、先方からも歓迎されているように私には見受けられます。

本連載は、2015年11月25日刊行の書籍『老後の財産は「任意後見」で守りなさい』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

老後の財産は 「任意後見」で守りなさい

老後の財産は 「任意後見」で守りなさい

眞鍋 淳也

幻冬舎メディアコンサルティング

昨今、高齢者を狙った詐欺や「争続」が新聞やテレビなどのメディアで盛んに取り沙汰され、老後の財産管理に対する不安が高まっています。高齢になると判断能力が低下してしまい、望まないかたちで財産を失ってしまうケースは多…

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