ETF、FX…大量の封書内容に唖然も孫は動いてくれず
後日……。孫がやってきて、家の中の様子に大変驚いています。束になった郵送物を整理してみると、信託銀行と取引をしていることが判明しました。
ETF、REIT、FXなどと書いてあり、孫や橘さんが見てもよく分かりません。まして、82歳の出水さんが理解できているとはとても思えません。自分から積極的に投資することは有り得ないはずです。
ショッキングな出来事はそれだけにとどまりません。帰り際に近所の人から、出水さんが最近パジャマとスリッパで出かける姿を見たと知らされました。以前では考えられない光景です。記憶力の低下だけにとどまらず、徘徊の傾向も見え始めているようです。
橘さんと孫は、商品の販売先や信託銀行に確認した方がよいと考えました。孫が、「この件は、僕が対応します」と威勢よく言うので、橘さんは一旦孫に一任することにしました。
しばらく経って、橘さんはその後どうなったのか気になり始めました。孫に電話をかけてみると、「いや〜、仕事が忙しくて……」
この前会った時の勢いはなく、何とも頼りない感じです。橘さんとしては、本当に出水さんの意思に基づいて買っているのかを業者や銀行に確認してほしかったのです。先方が曖昧な態度を取るなら、返品や解約をしてほしいと考えていました。ところが、孫は連絡すら入れていないようです。
橘さんは、業者が出水さんを言いくるめて高額商品を売りつけていると感じています。また、投資信託についても、亡夫の担当者が出水さんが内容をよく理解できていない状態で契約を結ばせているのではないかと不信を抱いています。
自分はどう動いたらいいのか分からず、何もできないもどかしさが募るばかりです。
岡 信太郎
司法書士のぞみ総合事務所
代表司法書士
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