(※画像はイメージです/PIXTA)

皆さんは「働かないおじさん」という言葉から、どんな人を想像するでしょうか。一般には「会社の中で真面目に仕事をしないくせに給料をもらっている人」といったイメージを抱くかもしれません。しかし、人事コンサルタントとして企業の現場でコンサルティングや研修を行っている筆者は、自身の経験から、「本人が好き好んで『働かないおじさん』と呼ばれる状態になっているケースはほぼない」と指摘します。

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近年、問題視されている「働かないおじさん」とは?

2019年以降、社内から早期・希望退職者を募ることで人員削減を行う上場企業が増加傾向にあります。

 

東京商工リサーチのデータによると、2018年は12社、2019年は35社、コロナ禍に見舞われた2020年には93社、2021年(1月〜6月)には50社と急増しています。これらの企業の96パーセントは早期・希望退職の適用開始年齢を設定しており、うち66パーセントが40歳ないしは45歳以上のミドルシニアを募集対象にしています。

 

また、同じく2019年前後から「働かないおじさん」という言葉を目にする機会が増えてきました。

 

皆さんは「働かないおじさん」という言葉から、どんな人を想像するでしょうか。一般には「会社の中で真面目に仕事をしないくせに給料をもらっている人」といったイメージを抱くかもしれません。

 

近年、当社にも多くの企業から、「自社のミドルシニアを活性化したい」といった相談が持ち込まれるようになってきました。具体的な内容は下記のとおりです。

 

●「役職定年や定年再雇用前後でモチベーションが落ちてしまうことが多い」

●「働き方改革やリモートワーク、DX(デジタルトランスフォーメーション)に上手く適用できない管理職が発生している」

●「自律的な意識を持って能力開発をしてほしいが、学習する習慣が根付いていない中高年が多い」

●「ジョブ型雇用に切り替えが進む中で、今のポジションに限定せず自分の活躍領域を真剣に考えてほしい」

 

つまり、企業側の期待に十分応えられていない、または応えられない一部のミドルシニア社員に対して、企業の経営者・人事・上司たちの問題意識が高まっていることが見てとれます。こうしたギャップが生じているミドルシニアを、ここではひとまず「働かないおじさん」と呼ぶことにします。

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※本連載は難波猛氏の著書『「働かないおじさん問題」のトリセツ』(アスコム)から一部を抜粋し、再編集したものです。

「働かないおじさん問題」のトリセツ

「働かないおじさん問題」のトリセツ

難波 猛

アスコム

キャリア論・心理学に基づいたメソッドで「働かないおじさん」たちが、たった3ヵ月で自分から前向きに働きだす! 生産性が上がる! 様々な業界で約2000人の中高年キャリア開発を手がけた人事コンサルタントが、心理学、キ…

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