「働かないおじさん問題」は日本社会全体の問題
「働かないおじさん」問題は、日本社会としても看過できない問題だと考えています。
少子高齢化が進む日本では、生産年齢人口(15歳〜64歳)が1995年をピークに減少傾向になっています。総務省の統計では、ピーク時8716万人と比較して、2020年は7471万人と、1300万人近く減少しています。しかも、総人口はほぼ変わっていませんから、この1300万人はほぼ65歳以上の高齢者になったと考えてよいでしょう。
社会保障費増加も大きな問題となっています。
ただでさえ減少傾向にある生産年齢人口の中核を占める40代・50代の人材が十分に活躍できず、その結果として解雇されて生活破綻する人が増えたり、会社そのものが倒産するケースが増えたりするようであれば、ゆくゆくは国全体に影響が出る可能性も高くなります。
また、前述した高年齢者雇用安定法の改正もあり、ミドルシニアも含めた日本人全体が、より長く生き生きと活躍できる社会の構築が社会的にも必要とされています。
「働かないおじさん」問題は、本人や雇用している会社の問題だけではありません。本人・会社・社会が最適解を模索し相互に努力し続けることが、より良い持続可能な日本社会を実現することに繋がるのではないか、と思います。
難波 猛
マンパワーグループ株式会社 シニアコンサルタント
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】