15分に1回程度、10秒ほど目を閉じてひと休み
何かに集中して取り組んでいると、まばたきが減ってしまいます。
通常は1分間に20~30回まばたきをしますが、パソコンやスマホの画面などを見つめていると、その回数は3分の1~4分の1程度にまで激減するのです。
これほど極端にまばたきの回数が減ってしまうと、涙が蒸散することにより、涙液が不足してドライアイを招いてしまいます。
ドライアイになると、目がショボショボするだけでなく、光がまぶしい、目の奥が痛い、さらには首や肩のこりや頭痛まで引き起こしてしまいます。
そうならないために誰でもすぐにできることは、意識して目を閉じること。
何かに集中して取り組んでいるときでも、15分に1回程度を目安に心を落ち着けて、ゆっくりと息を吐きながら10秒ほど目を閉じてみることをおすすめします。
ゆっくりと息を吐くことを意識すれば「副交感神経」が優位になって心が落ち着き、リラックスすることによって自律神経の乱れもリセットできます。
パソコン作業やスマホの合間に、15分に1回程度は息抜きして、10秒ほどゆっくりと息を吐きながら目を閉じてみましょう。
そもそも人が集中力を持続できるのは、15分程度といわれます。ならば少なくとも15分に1回はひと休みして目を閉じ、いったんリセットすることで作業効率もアップするはずです。
「遠くを見る」はスマホ老眼の予防に効果的
15分に1回を目安にひと休みして、ゆっくりと息を吐きながら10秒くらい目を閉じた後、あわせてやってほしいことがあります。それは、できるだけ遠くを眺めることです。
窓が近くにあり、屋外を眺められるのであれば、離れたところにある緑や建物、青空や雲を眺めるといいでしょう。また、室内やオフィスでも、一番遠くの壁などを眺めてみる。それだけで、近くばかり見ていた目を緊張から解放させることができます。
私たちがモノを見るときは、目のレンズ(水晶体)を支える筋肉(毛様体筋:もうようたいきん)が、緊張したりゆるんだりすることで、レンズの厚みを変えて焦点を合わせています。
そもそも人間の目にとっては、はるか昔の原始時代ように、遠くの獲物を探している状態が自然で負担がかかりません。
しかし、スマホやパソコンなど、距離が近いモノばかりを見つめる時間が多い現代人は、毛様体筋が緊張しっぱなし。特に視力がいい人、遠くのものがよく見える人ほど、目の毛様体筋には大きな負担がかかっているので、疲れやすいです。
そこで、こわばった毛様体筋をゆるめるためにも、15分に1回くらいは、せめて5mくらい先を眺めてほしいのです。
近年話題になっている「スマホ老眼」は、至近距離でスマホ画面を見つめ続けることで「毛様体筋」がこり固まって、ピント調節がうまくできなくなる状態のことです。
一般的な老眼は加齢による水晶体の老化によって起こりますが、スマホ老眼の原因は一時的な毛様体筋の緊張です。
集中してパソコン仕事をしているときでも、スマホで動画を見ているときでも、15分おきにひと休みして10秒目を閉じた後、10秒遠くを眺めることで目の筋肉を休ませ、スマホ老眼を予防することができます(図表2)。