病気による「目のかすみ」、心配いらない「目のかすみ」の違い【眼科医が解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

スマートフォンやPCの普及などにより、現代人の多くが目を酷使する生活を送っています。目がかすむ、ピントが合わないなどの「見えにくさ」を感じた経験は誰しもあるでしょう。痛みや違和感がなくても、こうした「何気ない症状」が実は、失明リスクもある怖い病気のサインであることも少なくありません。眼科 かじわら アイ・ケア・クリニック院長・梶原一人医師が解説します。

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「かすみ目」の多くはドライアイが原因

■「まばたきする」「目を休める」「別の場所を見る」で改善するなら大丈夫

Q. 長時間仕事に打ち込んで「目を酷使したな」と感じたときなど、ときどき目がかすむことがあります。

 

A. 「目がかすむ」と訴える患者さんで一番多いのが、これも「ドライアイ」なんです。かすんで見えても、数回、まばたきするとピントが合うようであれば、ドライアイと考えていいでしょう。対策としては、まばたきをこまめにしたり、15分に1回程度、手を休めて目を10秒ほど閉じたり、保湿成分の入った目薬を指定の回数さしてみたりしてください。あとは、メガネやコンタクトレンズの度数が合っていない人も、ときどきいます。遠くはかすむけれど、近くのテレビ画面は見える。または、テレビ画面がかすんで見えるけど、ちょっと近寄ると見えるのであれば、よく見えるように設定した度数と見たいものがズレているだけでしょう。

一方で「白内障」や「緑内障」の可能性も…

Q. 「目がかすむ」というのは、何かの病気の可能性もあるのでしょうか?

 

A. 白内障でも「視界が全体的にかすむ」といった症状は現れます。

 

白内障は、目のレンズである水晶体が濁って見えにくくなる病気ですが、アトピー性皮膚炎や糖尿病などが原因の場合を除くと、ほとんどが加齢によって起こります。そのため、45歳以上の人に多く、80歳を超えるとほとんどの人が白内障を経験します。

 

しかし、白内障は決して怖い病気ではありません。なぜなら、どんなに症状が進んでも失明に至る病気ではなく手術で治るため、特殊な場合を除けば手遅れにはならないからです。手術では、濁った水晶体を超音波で砕(くだ)いて吸い出し、その代わりに人工の眼内レンズを入れます。手術は日帰りも可能です。

 

「白内障はどのくらい悪くなったら手術を受ければいいですか」とよく聞かれますが、見え方に不自由していなければ、ご自身で決めていただいて構いません。クルマを運転する人は、免許を更新できる視力がなくなる前に手術を受けたほうがいいでしょう。

 

 

 

Q. 目のかすみで白内障以外の病気も考えられますか。

 

A. はい、考えられます。白内障より恐ろしいのが、失明原因ナンバーワンの「緑内障」です。一般的に緑内障は、よく「視野が欠ける」病気だといわれますが、そう聞くと多くの人は、お皿の端が欠けるように、常に見えない部分が存在すると想像するでしょう。しかし実際は、ときどきかすんで見えると感じることや解像度が徐々に落ちるように全体的に見えづらくなることが多く、はっきりとした視野の欠けを自覚する頃には、緑内障が相当進んでしまっています。「目がかすむ」と感じる原因がもし緑内障であれば、すでにある程度進行している可能性が高いです。

 

<目がかすむと感じたら…>

●まばたきを数回するとピントが合うようであれば、ドライアイの可能性大。

●ドライアイの症状を軽減するため、こまめにまばたきしたり目を閉じたり、防腐剤の入っていない涙に近い成分の目薬を使ってみる。

●メガネやコンタクトレンズを装用している人は、度数が適切か確認。

●白内障が疑われる場合は、レンズの濁りがひどくなる前に眼科を受診。

●白内障は急ぐ必要はないものの、見えにくくて困る場合は手術を検討。

*目がかすむ場合、緑内障の可能性もあるので必ず眼科を受診

眼科 かじわら アイ・ケア・クリニック 院長 

慶應義塾大学医学部卒。ハーバード大学研究員、スタンフォード大学リサーチ・アソシエート。日本人初のハワード・ヒューズ・メディカル・インスティテュート奨学生。北里賞受賞。

1959年東京都品川区生まれ。慶應義塾大学医学部卒業後、臨床眼科学を学び眼科医に。現場で治せない多くの病気に直面し「根本的な治療法を考えたい」と1990年にハーバード大学に研究員として留学。在職中に世界で最も権威のある科学雑誌『ネイチャー』『サイエンス』に論文を発表する。

1994年、スタンフォード大学医学部・神経生物学教室にリサーチ・アソシエートとして移籍。1995年、東京大学医科学研究所・化学研究部の客員研究員を兼任し、帰国後は理化学研究所脳科学総合研究センター(神経再生研究チーム・チームリーダー)。

2006年、「眼科 かじわら アイ・ケア・クリニック」開設。最新鋭の検査機器を揃えて高レベルの医療を提供するだけでなく、米国で学んだ「患者さんの立場になって優しく心のこもったケアをする(TLC=Tender Lovely Care)」を実践し、口コミで患者さんが増加。整理券を配布しても行列ができる評判のクリニックとなっている。

著者紹介

連載名医が教える放っておくと怖い「目」の症状

※本連載は、梶原一人氏の著書『放っておくと怖い目の症状25』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・再編集したものです。

ハーバード×スタンフォードの眼科医が教える 放っておくと怖い目の症状25

ハーバード×スタンフォードの眼科医が教える 放っておくと怖い目の症状25

梶原 一人

ダイヤモンド社

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