(※写真はイメージです/PIXTA)

MR(医薬情報担当者)とは、医療機関を訪問し、自社製品に関する情報を提供したり、処方の結果などについての情報を収集したりする職種です。医薬品業界では「営業」と呼ばれることもありますが、専門的な情報を扱い、医師や薬剤師など医療のプロを相手にする仕事だけに他業界の営業職と比べて収入は高めです。大手製薬企業であれば、平均給与が1000万円を超えるケースも珍しくありません。安定した職業に思えますが…。

MRのキャリアとは?

MRのキャリアは、製薬企業に入社してから半年程度行われる社内研修と、その後のMR認定試験(12月)に合格し、MR認定証を取得するところからスタートします。

 

MR認定試験は業界団体であるMR認定センターが行うもので、MR認定証も公的なものではありませんが、多くの製薬企業ではMR認定証の取得を義務付けています。

 

MR認定証を取得したあと、MRは各エリアの支店や営業所に配属され、担当エリアの病院やクリニックなどを訪問します。

 

若手はまず、プライマリMRとして比較的症例の多い疾患に用いられる医薬品を扱い、クリニックや小規模病院を担当することが多いです。

 

ある程度、経験を積むと、社内公募などによって大学病院や基幹病院の担当に異動します。この場合、がんや中枢神経系、自己免疫疾患など特定分野の製品を扱うスペシャリティMRとして活動するケースが多く、社内でも一目おかれる存在です。

 

もちろん、すべてのMRがスペシャリティMRとして活動するわけではなく、プライマリMRとしての経験を積み重ねたり、製薬企業によってはドラッグストアなどで販売される一般用医薬品を担当したりするMRもいます。また、一部ですが本社のマーケティング部門やMSL(Medical Science Liaison)部門で活躍するケースもあるようです。

 

MRのキャリアにおいて、もう一つのポイントは転職です。近年、希望退職を実施する製薬企業が増えていますが、その一方で専門性をもったレベルの高いMRを中途採用するニーズもあります。

 

転職先としては、CSO(Contract Sales Organization:医薬品販売業務受託機関)も注目されるようになっています。CSOに所属するコントラクトMRは、派遣先の製薬企業の医薬品を扱います。エリア限定など柔軟な働き方ができたり、さまざまな領域の医薬品を担当することで専門性を磨けたりする点などが特徴とされます。男性MRはもちろん、結婚や出産、育児などをきっかけにワークライフバランスを重視する女性MRにとっては、キャリアの有力な選択肢です。

 

「MRサバイバル時代」とはいえ、MRのキャリアにはさまざまな選択肢があります。計画的にスキルや専門性を磨くことは欠かせませんが、自らのライフプランに合わせて、主体的にキャリアを構築していくことは十分可能ですし、またそうした意識が重要になっているのです。

 

■大手勤務なら平均給与「1000万円超」だが…高収入でも将来安泰ではない

医療用医薬品についての情報を扱い、医師や薬剤師など医療のプロを相手にする仕事だけに他業界の営業職と比べ、MRの収入は高めです。大手製薬企業であれば、平均給与が1000万円を超えるケースも珍しくありません。

 

また、MRは転勤が多いため家賃補助が手厚く、車を使った直行直帰が多いので非課税の営業日当が支給されるといった傾向もあります。

 

しかも、日々忙しく駆け回っているため、お金のことについてあまり考えたことがないという人が男性、女性問わず少なくないようです。その結果、収入の割には貯蓄が少なく投資や資産運用についての関心も薄いままということになっています。

 

しかし、これから本格化する「MRサバイバル時代」を生き抜くには、投資や資産運用に関する情報や知識、すなわち「金融リテラシー」を早い時期から身につけることが大きな力になるはずです。具体的には、ほかの営業職より多い収入や福利厚生などを上手に利用しながら、将来への保障を厚くしたり、安定した副収入を得たりするのです。

 

そのことによって、MRとしてのキャリアとともにライフプランにおいても選択肢が広がり、より充実した幸福な人生を送れる可能性が高まるはずです。

 

 

大山 一也

トライブホールディングス 代表取締役

 

高橋 侑也

 

※本連載は、大山一也氏、高橋侑也氏による共著『MRのための不動産投資』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

事例で学ぶ MRのための不動産投資

大山 一也
高橋 侑也

幻冬舎メディアコンサルティング

MRの「将来の悩みや不安」は「不動産投資」が解決する! 「今の働き方をこれからもずっと続けていけるのか不安」 「家族のため将来に備えたいが、どこから手を付けたらいいか分からない」 「担当のドクターが投資に興味…

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