(写真はイメージです/PIXTA)

本記事は、武者リサーチが2022年1月1日に公開したレポートを転載したものです。

米国金融引き締めの悪影響は心配するにおよばず

米国の金融引き締めに過度の心配は不要であろう。市場ではいつになく警戒感が強いので、意外に底堅い展開の年になるかもしれない。

 

①インフレが一時的であること、
②長期的金利低下趨勢が続くこと

 

が要因。

 

自然利子率低下はさらなる株高、バリュエーションの上昇余地があることを示唆する。TINA(There is no alternative)という状況は2022年も続く。フレンドリー金融政策不変・マイルドインフレ・マイルド金利上昇の下で、リスクテイクが報われる環境が続くと考えられる。

 

[図表3]米国名目GDP成長率と長短金利推移
[図表3]米国名目GDP成長率と長短金利推移

 

[図表4]米国自然利子率と実質金利推移
[図表4]米国自然利子率と実質金利推移

2021年の日本株…悪材料も前年比でプラスを維持

2021年の日本株式は意外にしっかりしていた。これまでの日本株の2大買い主体であった日銀と外国人の支援がまったく止まったにもかかわらず前年比でプラスが維持された。

 

①日銀がETF購入をほぼ停止したこと、
②MSCI日本株採用銘柄減の影響もあり、外国人が日本株を売り越したこと、
③指数に影響力が大きいソフトバンクグループ(7%の影響力)の大幅減益(アリババの株価急落により2020年度の5兆円から3兆円以下に)、

 

等の悪材料にもかかわらず、バブル後最高値30700円からの調整は小幅であった。底流に相場体温の上昇があったことをうかがわせる。2022年はこれらの悪材料が一巡する。

 

[図表5]日本株投資主体別累積投資額推移
[図表5]日本株投資主体別累積投資額推移

 

[図表6]外国人投資家日本株累積投資額推移(安倍政権発足以降)
[図表6]外国人投資家日本株累積投資額推移(安倍政権発足以降)

 

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