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日本産業の主役交代が急速に進んでいる
今や日本経済を代表する企業は、経団連や経済同友会などに集う、昭和時代からの銀行、重厚長大産業(鉄鋼・化学・重電・重工)、自動車、電機企業等のエリート企業群ではない。
GAFAMにも対抗できるビジネスモデルを持つ新興大企業が、日本を代表するプレイヤーになっていることは、うれしい驚きである。時価総額ランキングの推移でみると、急激に日本の担い手企業が変わっている。それらは将来GAFAMにも匹敵する潜在力を持ってくるかもしれない。
日本は米国と異なりリーディングカンパニーの新陳代謝が長らく起きなかった。しかしコロナ危機を挟んだ数年間のうちに、日本の将来を託するのに十分な資格を持つ企業群が台頭している。
[図表2]の緑シャドウは武者リサーチが勝手に(恣意的に)格付けしたNEXT GAFAM時代の日本のリーディング企業であるが、2015年までは上位20社中2社程度であったものが、2021年12月末では12社と急増していることがわかる。
旧態依然たる大企業の停滞・没落と新興中堅企業の台頭という図式は10数年前から進行し、それは[図表1]に見るようにTOPIXの規模別株価パフォーマンスに如実に表れていた。その花形役者交代がいよいよ、ひのき舞台で起きつつあるのである。
GAFAMの既存ビジネスは収穫逓増期から収穫逓減期へ
今世界ではGAFAMが飛ぶ鳥をも落とす勢いで繁栄し、米国株価もそれにより突出したパフォーマンスを続けている。それはGAFAMが支配するインターネットプラットフォーム産業が収穫逓増期にあるからである。
商品や産業は、
②収穫逓減期
③衰退期
④安定期(or 絶滅期)
と言うライフサイクルを持っている。これをビールの飲酒量と効用の関係で考えてみよう。
最初のミニグラスでは到底満足できないが大ジョッキーで一気に乾いたのどを潤す時に大いなる満足が得られる。ここまでが収穫逓増期であり、飲めば飲むほど、最初の一杯よりも次の一杯の方が大きな満足が得られる。
しかしさらに飲み進めると徐々に快感が薄れる限界収穫逓減期に入る。そしてさらに飲み進むと悪酔いが始まり、快感は不快感に変わり、ついにはビールを飲むことを止める、これが減衰期である。
農業の歴史を振り返ると、原始採集経済段階にあった人類が、農耕を始め飛躍的に生産力を高めたBC4000年以降、日本ではAC200年頃が収穫逓増期であり、超過リターンが人口増と、ピラミッド・古墳などの巨大構築物をもたらした。
しかし古典派経済学が農業を分析の対象にした中世末期、近代初期には収穫逓減期に入り、産業革命とともに衰退期に入り、今ようやく安定期に入っている。
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