【関連記事】金融機関から「融資NG」にされやすい人の決定的特徴6つ
「金融ブラック」だと融資審査に落ちる可能性アップ
■「シー・アイ・シー(CIC)」で自分や家族の信用情報をチェック
「クレジット事故を起こしたことがある」、「携帯代の支払いを遅延したことがある」方は、審査に落ちてしまうリスクが高まります。「黙っていればバレないのでは?」と思われるかもしれませんが、そう甘くはありません。
シー・アイ・シー(CIC)という会社があります。適正なクレジット・ローン取引のために、クレジット会社や金融機関などが共同出資した会社で、消費者のクレジットやローン利用に関する信用情報の収集・管理・提供・開示を行っています。
借入を申込むと、金融機関はCICの信用情報を確認し、お金を貸すかを判断しています。ここで信用情報にキズがあると判明すると、融資が難しくなります。
実はCICは、加盟する金融関連会社だけでなく、借入をする本人も申込めば自身の信用情報を開示し、確認することができます。
「口座の残高が足りなくて支払いが遅れてしまったことがある」などの、うっかり起こってしまった遅延も含め、心配な方は一度自分でCICの情報をチェックしておくことをオススメします。
方法は簡単です。パソコンやスマートフォンで、CICのホームページから「自分の信用情報を確認」のページを選び、指示に沿って手続きをすれば、PDFで開示報告書を取得することができます。開示の手数料は1000円で支払いはクレジットカードのみとなります。
クレジットカードをもっていない場合は郵送やCIC窓口での開示も可能です。また、消費者金融系の信用情報については、「日本信用情報機構(JICC)」のサイト内でチェックできます。
■「金融ブラックを隠すこと」がいちばんの悪手
では、信用情報がブラックな人は、絶対に融資を受けられないのかというと、公庫の審査についていえば、100%不可とはいえません。
ブラック情報が消えるまでの5~7年の間も申込みは可能です。ブラックか否かだけで不可ということではなく、ビジネスプランや今後の返済能力も加味したうえで審査となります。
いちばんのマイナス評価となるのが、金融ブラックであることを隠してバレた場合です。配偶者と一緒にビジネスをする場合は、家族のブラック情報も含めて、事前に調べておきましょう。
任意整理をしていても「融資NG」とは限らない
■事例:筆者に融資サポートを申し込んだXさん…実は任意整理をしていた
債務整理の方法には、自己破産や借金額を圧縮する任意整理、個人再生などの手段がありますが、私のお客さまで7~8年前に任意整理をした方で融資に成功した方がいらっしゃいます。
Xさんとしましょう。実はその事実が発覚したのが、融資の面談後。Xさんから慌てた様子でかかってきた1本の電話でした。
「田原さん! すみません。実は過去に任意整理していたことを面談の担当者から突っ込まれまして…」
「えっ…私との面談では、そんなお話されてなかったですよね?」
「はい。実は支払い忘れていた借入金が5万円残っていたことを失念していました」
「なるほど…。分かりました。じゃあ直ちに返済しましょう!」
「返済すればなんとかなるんですね」
そんな会話を経て、Xさんには即、対処に動いてもらいました。
■結果、700万円の融資に成功…Xさんの「勝因」とは?
ネガティブな事実が判明したことで、公庫からの印象は下がりますが、借金全額をキレイに返済していれば制度上は融資が可能です。さらに、直近で債務整理を行った場合、融資は困難となりますが、5年以上経過していれば可能性はあります。
Xさんの場合、債務整理のほかの条件としては、自己資金50万円、親からの借入が150万円で合計200万円が通帳に入っている状態でした。
成否の可能性は半々といった条件でしたが、結果としては希望額満額の700万円の融資に成功しました。これも返済を完了したことと、親御さんの協力があったこと、さらに創業計画書などがしっかりしていたことが決め手となりました。また、私は公庫の資金調達実績が豊富であるため、スピーディに完済の手続きができたことも、後押し材料になりました。
自己破産の場合はハードルが高くなりますが、任意整理や個人再生の場合は、5年以上経過をしていれば可能性はあります。もちろん信用情報にキズがないに越したことはありませんが、やや厳しい条件でも、融資アドバイザーの知恵を借りることで、クリアできるケースもあります。あきらめずに相談してみることをお勧めします。
田原 広一
株式会社SoLabo 代表取締役
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】