(※写真はイメージです/PIXTA)

「不倫」「浮気」「離婚」「セクハラ」……銀座さいとう法律事務所には、今日も有象無象のトラブルが舞い込みます。本連載では、齋藤健博弁護士が実際に寄せられた事例をもとに、男女の法律問題を解説していきます。

「どうしても許せない…」不貞行為を立証できたもの

不倫は、法律(民法)の世界では不貞行為と位置付けられます。配偶者から不貞行為を主張されると、離婚請求が認められ、自分だけでなく、不倫相手にも慰謝料が請求されることになります。

 

通常は、「ラブホテルに行く」「旅行に行く」「ラインで愛文を送りあっているトーク画面」といった証拠をそろえて不貞行為を立証することが多いのですが、このケースでは前述のとおり、不貞行為の証拠がありません。

 

そこで武器にできたのが、「ストーカー被害に遭っている証拠」でした。『健、どうして』『もしかして奥さんに拘束されてる?』『奥さんと一緒だとつらいよね、わかるよ』『もう怒らないから、ごめんね。今すぐ戻ってきて』……ラインや社内便にて送られてきた文章です。

 

健さんが持っていたストーカー被害の証拠で、婚姻中に不貞行為があったことを十分立証できました。

 

またここから、不倫相手は会社の部下で、関係は1年も続けられていたこと、健さんがバツ2で子どもがいることも承知の上だったこと、などがわかりました。新たに明らかになった事実から、恭子さんの「どうしても許せない」という思いはより強くなりました。

この訴訟の結論は…

訴訟は、200万円の慰謝料、財産分与は210万円という結果に至りました。

 

離婚が成立し、かつ、婚姻期間が1年半であれば、200万円の慰謝料は法律上妥当といえるでしょう。

 

不貞行為は1年以上、婚姻期間は1年半ですから、婚姻期間のほとんどを不貞行為をして過ごしていたことになります。健さんは「一方的に好意を持たれた」と最後まで反論していましたが、所持していた手紙には、『今日はありがとう。たくさん愛し合おうね』という文章、さらに日時もばっちり記載されていました。

 

矛盾する言動を立証するには十分な物証を用意できた事例でした。

 

 

齋藤 健博

銀座さいとう法律事務所 弁護士

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