(※写真はイメージです/PIXTA)

「不倫」「浮気」「離婚」「セクハラ」……銀座さいとう法律事務所には、今日も有象無象のトラブルが舞い込みます。本連載では、齋藤健博弁護士が実際に寄せられた事例をもとに、男女の法律問題を解説していきます。

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あっさり離婚成立したが…突然慰謝料を請求され大慌て

大手文房具メーカーに勤務する日村さん(46歳/男性・仮名)。妻と2人の子どもとともに生活していましたが、離婚することになりました。離婚成立までの過程や養育費の交渉については、特に揉めることもなく進んだそうです。

 

日村さんは離婚後すぐに再婚(いわゆる授かり婚)を決めました。すでにその子は生まれています。

 

再婚相手の女性とは、かつて留学していた頃に知り合ったということです。離婚成立から遡ること4年前、女性から連絡を受けて数年越しに再会しました。久しぶりに出会った2人は想像以上に意気投合し、話し込んだとのこと。もっぱら花が咲いたのは当時の妻についての愚痴でした。

 

日村さんが話した内容は「育児を怠けている」「月に30万円渡しても『足りない』という」「夫である自分を褒めない」――といったもの。モラハラ気質を感じる言動ですが、そんな話をしているうちにすっかり盛り上がってしまったとのことです。

 

そして2人は会話だけでは飽き足らず、過ちを犯してしまいました。本人曰く「婚姻中の性交渉はこの一回きりだ」ということですが、ともかく、これを1つのきっかけとして、4年後に日村さんと妻との間には離婚が成立しました。

 

さて、あっさり離婚が成立したな、と思っていた日村さんのところへ突然「500万円の慰謝料」を払うよう地方裁判所から呼び出し状が届きます。元妻から不倫について請求されたのです。

 

どうして急に?本当に慰謝料を払わなくてはいけないのか?と慌ててネットで検索をしたところ、ページには「不貞行為の時効は3年」と書いてあります。自分が不貞行為をしたのは4年前、42歳のとき。何度計算をしても、時効であるはずの3年以上が経過していました。

 

離婚の時点で預貯金の大部分は元妻に取られ、毎月の賃金でやりくりしていかなければならなくなったうえ、新しい家族を養っていかなければなりません。そこへやってきた慰謝料の話……、目の前が真っ暗になりましたが、どこか「時効を過ぎているんだから、手続きを踏めば慰謝料はゼロにできるだろう」と信じてもいたそうです。

 

そんな経緯で、日村さんは弁護士の元へ相談に向かいました。

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※プライバシーに配慮し、実際の相談内容から変更している部分があります。

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