真面目な医師「初めて銀座のクラブ」での出会い
32歳の内科医である山野さん(仮名/独身男性)。真面目な性格で、開業を目指しながら複数のバイトをこなし、無駄遣いを避けながら暮らしていました。贅沢といえば、「ロレックスを一本買ってしまおうか」と迷う程度だったといいます。
ある日、山野さんは先輩医師に誘われ、初めて銀座のクラブに足を踏み入れることになりました。これまで、六本木や新宿のクラブに行ったときの経験からあまり期待はしていませんでしたが、「先輩の付き合いだし、大人しくしていよう」くらいに考えていたそうです。
ところが銀座のそのお店は、山野さんにとって魅力的に映ります。先輩医師のボトルが並ぶ店内で女性たちが親身に話を聞いてくれる姿勢に、彼は次第に心を開き、仕事の話で盛り上がっていきました。
その後、山野さんはクラブで知り合った一人の女性と連絡を取り合うようになり、先輩に断りもせず頻繁にクラブを訪れるようになりました。女性は自身をGMARCH大卒と名乗り、昼間には別の仕事をしていると話していました。
ある時、その女性から「お店には来なくていいから自宅に来てほしい」と言われ、自宅での逢瀬が始まりました。彼は「自宅に呼ばれるということは本命として考えてもらっているのだろう」と信じ、次第に彼女にのめり込んでいきました。
これが山野さんにとっての悲劇の始まりでした。
女性に「結婚前提じゃないと付き合えない」と告げられ、半同棲状態となり、生活費を多い時には100万円ほど、現金で渡す生活がはじまったのです。「自分の収入を超えてお金を渡していることに焦りはあったが、断れなかった」と山野さんは語ります。
「シャネルが欲しい」「アクセサリーも欲しい」「ファーストクラスに乗りたい」と彼女の要求は増えていきました。土日には旅行で高級ホテルに泊まるなど、山野さんのお金で遊んでばかりの生活を続けます。
山野さんは飛行機に乗ることを趣味の一つとしていましたが、基本的にはエコノミーで移動していました。彼女にだけファーストクラスの料金を支払わされ、さすがに理不尽な思いが増していきました。