(※写真はイメージです/PIXTA)

「不倫」「浮気」「離婚」「セクハラ」……銀座さいとう法律事務所には、今日も有象無象のトラブルが舞い込みます。本連載では、齋藤健博弁護士が実際に寄せられた事例をもとに、男女の法律問題を解説していきます。

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結婚から1年半…バツ2の夫が「不倫している?」

恭子さん(37歳/女性・仮名)が、会社員の健さん(38歳/男性・仮名)と結婚してから1年半が経過しました。共働きの2人の間には、子どもが1人生まれ、バツ2である健さんの連れ子も含め4人で暮らしています。

 

新婚で幸せ絶頂!……かと思われる時期ですが、恭子さんは夫の様子がどうもおかしいのを感じていました。確たる証拠はありません。しかし帰宅時間や休日の過ごし方の変化を見るに、会社で浮気しているような気がします。

 

彼の怪しさに嫌気がさし、それまで作っていたご飯も用意する気が起きなくなりました。夫には会社で勝手に食べるよう伝え、なぜ作らないのかと問われると「自分も会社で一緒に食べる人がいるから」と答え続けました。

 

そんな態度から、自らの行動を怪しまれていると悟ったのでしょうか、健さんは今までの行いを改めるようになります。しかし離婚へと傾きつつある恭子さんの心は、取り戻すことはできません。

 

そうこうしているうちに、恭子さんはついに自宅前で待ち伏せする女性の姿を発見します。「不倫相手が、のこのこと家にまで!?」と怒り心頭になった恭子さんはとうとう離婚訴訟を決意し、法律事務所の門を叩いたのでした。

「妻からは離婚訴訟」「不倫相手はストーカー化」

妻から離婚を請求された健さんは、実は「ストーカーと化した」元不倫相手との間で板挟みになっていました。

 

ご飯を作らなくなった妻の態度に焦った際、不倫関係は無理矢理切った健さん。しかし突然の終焉は、相手にとって納得がいくことではなかったのでしょう。自宅前にいたのも健さんとの合意の上ではなく、ストーカーとしての行為でした。会社でも待ち伏せられるだけでなく、社内便を送りつけられるなどされ、困り果てていたとのこと。

 

離婚を請求された健さんは、彼女について「ストーカーされている」「自分は興味がないが、向こうに勝手に好意をもたれた」とし、関係修復の意向を主張します。背景にあるのは「バツ2だから、もう後がない」という思いのようです。

 

しかしそんなこと、恭子さんにとって知ったことではありません。ラインのやりとりなど証拠を持たずとも、離婚訴訟および慰謝料請求は実現できるのでしょうか。

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※プライバシーに配慮し、実際の相談内容と変えている部分があります。

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