「差押えが禁止されている財産」がある…テレビは?
Q.自己破産をしたらすべての財産が取り上げられてしまいますか?
A.自己破産をしたからといって、すべての財産が取り上げられてしまうわけではありません。自己破産後の生活に必要な財産は「自由財産」といって手元に残すことができるのです。
自由財産には、①99万円までの現金など、②自己破産開始決定後に取得した財産(新得財産)、③生活に欠かすことのできない冷蔵庫や洗濯機、テレビやパソコン、衣類や寝具など差押えが禁止されている財産が含まれます。
そのほか破産管財人が放棄した財産も手元に残すことができます。
なお、自由財産は99万円まで手元に残せますが、大阪地方裁判所では現金が50万円を超える場合やその他の財産が20万円以上の場合、東京地方裁判所では33万円を超える場合は原則として管財事件となります。
Q.自己破産のデメリットはありますか?
A.自己破産をすれば5〜10年ブラックリストに載りますので、新たな借入などはできなくなります。また資格制限もありますので、一定の職業に就くことができなくなります。さらに保証人が付いている場合は、保証人に催促がいきますので、迷惑がかかってしまいます。
Q.水道光熱費の支払いや携帯代金の支払いは偏頗弁済(※)になりますか?
※ お金を借りた人のなかから、特定の人にだけ借金を返済すること。
A.これらの支払いは生活に必要なものなので、偏頗弁済には当たりません。
Q.免責が許可されなかったらどうなりますか?
A.免責の許可が下りなかった場合でも、即時抗告といって高等裁判所に再度、免責の判断をしてもらうことができます。ただ決定が覆ることは稀なので、債務として残ってしまいます。
井上悠一
クラッチ不動産株式会社代表取締役