※画像はイメージです/PIXTA

相続税対策として知られている「暦年贈与」。一方で「暦年贈与を実際にしたいと思っているがどのようにやればよいのか」「毎年、子供の暦年贈与をしているが、ホントに今の方法で大丈夫なのか」などという疑問も。「暦年贈与」の方法を間違えると、結果的に何の相続対策にもならずに、逆に税務署からペナルティが課せられてしまう事態にもなりかねません。そこで暦年贈与の正しい方法を解説していきます。

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    暦年贈与でかかる贈与税の計算

    年間110万円を超えた金額を暦年贈与すると、贈与税が課税されます。では、この贈与税はどの程度かかってくるのでしょうか。

     

    贈与税は、“1年を通じていくら贈与を受けたか”と“誰から贈与を受けたか”の2点で決まります。祖父母や父母等の直系尊属からの贈与の方がそれ以外の方からの贈与よりも税率が低く設定されています。

     

    また、贈与の金額が高くさればなるほど、税率が高くなり、最低10%から最高で55%までの税率が定められています。たとえば祖父から200万円の贈与を受けた場合には以下の算式で贈与税が計算できます。

     

    (200万円 - 110万円(基礎控除))×10% = 9万円(贈与税)

     

     

    暦年贈与を信託銀行に丸投げできる「暦年贈与信託」

    暦年贈与を信託銀行に丸投げできる、信託銀行が提供するサービスで「暦年贈与信託」というものがあります。

     

    仕組みは簡単で、贈与をしたい方が信託銀行と契約を結び、預金をあげたい対象者と金額等を指定します。すると、毎年1度自動的に信託銀行が契約書の口座から預金を贈与の対象者に振り込む手続を代行してくれます。

     

    なお、その際に、贈与を受ける側の者に、信託銀行から「贈与を受けるかどうかの確認書」が届きますので、贈与を受ける者はその用紙に必要事項を記入して返送するだけで手続きが完了するというものです。

     

    ここで紹介してきた、契約書を作成し、確定日付のスタンプを押し、資金を移動するという部分の手続を信託銀行が代行してくれるというサービスになります。なお、管理手数料は無料でこのサービスを提供している信託銀行が多いようです。

     

    このサービスを利用することで、もちろん手間が省けますし、「今年はうっかり忘れた」というような事態を回避することもできますので、利用されることを検討してみてはいかがでしょうか。

    本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

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