「遺留分減殺請求」で和解成立の場合にすべき相続税の手続き【税理士の解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

遺留分を侵害されている相続人が、遺留分を侵害している他の相続人に対して行う「遺留分減殺請求」。その後、和解が成立し、取得する相続財産に増減があった場合は、改めて相続税の手続きをしなければなりません。どのような手続きが必要か、みていきましょう。

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遺留分減殺請求で取得財産に変動が生じたら

相続税は、相続財産の案分割合で納める相続税額が決定します。

 

そのため、遺留分減殺請求の和解成立で取得財産の割合が変動した場合には、和解成立後の取得割合に応じて納める相続税額を再計算しなければなりません。

 

相続財産の取得金額が減少した場合は相続税が還付になる

和解によって相続財産の取得金額が減少する場合には、納める相続税額も減少するため、すでに税務署に納めている相続税の還付が受けられます。還付を受ける手段としては、税務署に更正の請求書を提出し、請求内容が認められた場合に相続税が還付されます。

 

相続税の手続きは和解が成立した翌日から4ヵ月以内

相続税の申告の計算誤りが原因で相続税を過大に納めていた場合には、相続税の申告期限から5年以内に更正の請求書を提出することで、相続税の還付を受けられます(原則的な更正の請求期間)。

 

一方、相続特有の事情により更正の請求をする理由が発生した場合には、特別な事情が発生したことを知った日の翌日から4ヵ月以内が更正の請求期間となります(例外的な更正の請求期間)。

 

なお、遺留分減殺請求の和解成立は特別な事情に該当するため、原則的な更正の請求期間に関係なく、和解が成立した翌日から4ヵ月以内に更正の請求をしなければなりません。

 

相続財産の取得金額が増加した場合は相続税の修正申告書を提出

和解の成立により相続財産の取得金額が増加した場合には、納める相続税の税額も増加するため、相続税の修正申告書の提出と納付が必要です。

 

また、通常の修正申告書を提出・納付した場合には、本税以外に延滞税を納めることになりますが、和解が成立した翌日から4ヵ月以内に修正申告書の提出・納付を完了すれば延滞税は発生しません。

遺留分減殺請求に伴う相続税の更正の手続き

更正の請求書は、申告書ではなく税務署に還付を請求する書類です。

 

そのため、相続税の申告書と提出する書類や手続き方法が異なりますので、注意してください。

 

更正の請求書は税務署に申告内容の訂正を依頼する書類

相続税の修正申告書の提出は、納める相続税が増加する場合にしか提出できません。

 

そのため、相続財産が減少する場合には、税務署に申告内容の訂正依頼(更正の請求)をすることになります。税務署は提出された更正の請求書の内容が適正であると判断すれば、職権で申告内容を訂正し、相続税を還付します。

 

一方で、税務署が更正の請求書の内容を更正をすべきでないと判断した場合には、更正の請求は棄却され、相続税は還付されません。

 

更正の請求書は対象となる相続人がそれぞれ作成して提出する

相続税の申告書は、相続人同士が合意していれば連名で1つの申告書を提出することが可能です。しかし、相続税の更正の請求書は相続税の申告書とは異なり、連名で提出することができません。

 

そのため、更正の請求の対象となる相続人が複数いる場合には、各相続人が更正の請求書を作成し、税務署に提出することになります。

 

更正の請求書には還付の原因となった和解調書を添付する

更正の請求書を提出する場合、更正の請求をするに至った経緯が確認できる書類の提出が必要です。遺留分減殺請求の和解が更正の請求書を提出する理由の際には、和解の調書や合意書のコピーを添付します。証拠となる書類の添付がない場合には更正の請求が認められません。

 

なお、複数の相続人が更正の請求書を提出する際は、それぞれに書類を添付する必要があります。

 

 

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税理士法人チェスター http://chester-tax.com

著者紹介

連載専門の税理士が解説~すぐに役立つ「相続税対策」実践講座

本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

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