経済の現状を踏まえた資産防衛、投資戦略
物価が上昇するなかで、新型コロナウィルスの変異株オミクロン株の登場で再び経済の先行きの不透明感が増しています。
資産防衛の観点では、インフレ=物価が上昇するに伴い、お金の価値が低下し、相対的にお金が目減りしていく点に注意が必要になります。それを克服する手段としての投資を考えてみましょう。
資産防衛のための選択肢1.株式
経済成長を伴うインフレであればまずは株式投資に注目すべきですが、新型コロナウィルス変異株への脅威や生産・供給チェーンの問題を抱える状況では、国内外ともに株式投資のリスクは高いといわざるを得ません。
資産防衛のための選択肢2.債券
経済の先行きに不安を残しつつもインフレへの対応から金利の引上げに動く国もあり、ここからのグローバル債券投資は注意が必要と思われます。
一方、日本はインフレが表面化していない点で利上げには進まないと思われるものの、さらなる引き下げも考えにくく、ゼロ金利現状維持の可能性が高いとみられます。そのため、債券や預貯金に資産を置くのもあまり得策ではないといえそうです。
資産防衛のための選択肢3.コモディティ
株式や債券といったトラディショナル資産が頼りにならないとなると、それ以外のオルタナティブな資産を探すことになりますが、インフレに強い資産といえば「金(ゴールド)」などコモディティと「不動産」です。
そのうち、金は利子などのインカムを生まない点で、世界的な金利上昇がリスクであることも指摘されています。
資産防衛のための選択肢4.不動産
そこで、不動産に目を向けてみます。不動産は、株式や債券、金のように日々相場が変動するものではないので価格が比較的安定しており、価値が下がりにくいのが特徴です。
また、物価上昇時には家賃収入が上がる傾向もあり、家賃収入が上がればその物件の価格が上がる可能性もあります。そのため、不動産投資はインフレヘッジとしては最強の武器といえます。
ただし、投資するリスクとして、「空室・家賃滞納リスク」「地震・火災リスク」「物件価格変動リスク」などがあります。
各リスクに対する策としては、「空室・家賃滞納リスク」はテナントの状況や立地条件を見極めることで低減させ、「地震・火災リスク」は築年数、耐震性の確認、保険の加入などで対応します。
「物件価格変動リスク」は駅など交通機関からの距離、地域経済の発展性や利便性に注意することになります。このようにリスクごとの低減策はあるものの、物件選びや管理の知識、スキルが必要であり、また、不動産は売りたい時にすぐ売れない可能性も考慮しなければならないほか、投資にはまとまった資金が必要でもあります。
これらのデメリットをまとめて解決する手段として、これまでに紹介したデジタル証券、ST不動産が有望です。
デジタル証券は、必ずプロフェッショナルの営業者が関与し、物件の管理や資産の保全が行われます。
また、有価証券として流動性(容易に売却できるプラットフォーム)も準備されているほかに、小口化もされているため、ポートフォリオに組み込む際の金額のコントロールがしやすいといった利点があります。
現在、金融業界を挙げて取り組んでいるデジタル証券(特に、不動産を裏付け資産としたST)は、まだプラットフォームの構築中であり、完成をみるにはもう少し時間がかかりそうです。
しかしながら、これが整備された暁には、インフレヘッジをはじめとする資産防衛策、投資戦略として非常に使いやすオルタナティブ投資のツールとなります。
三好 美佐子
Hash DasH株式会社
取締役
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