(※画像はイメージです/PIXTA)

日本のGDPおよび国際競争力が急速に低下した理由は何か。また、国際社会で生き残る企業になるためには何をすべきなのか。ヴェリア・ラボラトリーズ代表取締役社長の筒見憲三氏が解説します。

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    日本企業の経営者が「デジタル投資」を優先しないワケ

    なぜ日本企業では、経営者がそれほどソフトウエアのような無形資産へのデジタル投資を優先してこなかったのか。「資本主義の新しい形」の著者、諸富徹先生によると、

     

    「日本の経営者は、『ものづくり信奉』が強すぎて、こうした資本主義の構造変化に気づくのが遅れた」

     

    と指摘されております。

    この資本主義の構造変化とは「経済の非物質化」であり、この非物質化した投資への遅れが、日本企業の国際競争力低下の根本原因であると諸富先生は断じておられるのです。

     

    ここでの非物質化への投資とは、コンピュータソフトウエアやデータベースといった情報化資産への投資であり、まさにデジタル化への基礎的な投資です。

    「いいものを安く大量に」では生き残れない時代に

    今後は、ものを大量に安く、かつ品質の良いものを作るという製造業は、それだけではグローバル企業として戦って生き残っていくことは難しくなってきました。

     

    むしろ、製造したものを活用して、より付加価値の高いサービスビジネスに展開していくことが求められるようになり、そのサービス内容を充実したものにするためにも、ソフトウエアやデータベース開発を含めたデジタル投資とデジタル人材が不可欠になってきます。

     

    「顧客はもの自体を求めているのではなく、ものが提供する効用・パフォーマンスを欲している」

     

    このフレーズは、私が四半世紀前にESCO(Energy Service Company)ビジネスを面白いと直感した基本コンセプトを表現したものであります。

    脱炭素時代「企業の持続可能性」を左右するものは…

    例えば、顧客は高効率空調機器自体が必要なのではなく、その導入によって空間の快適性を維持しつつ省エネルギー・エネルギー効率化を通じてエネルギーコストをも削減したいという要望です。

     

    この導入機器が生み出す効用を約束するのが、「ESCOパフォーマンス契約」の真髄であり、その顧客が求める効用をエネルギーサービスとして提供するというものです。

     

    それがESCOビジネスの基本であり、グローバルで通用する価値観であると今でも信じております。

     

    こうした「ものの効用」とさらには「顧客の体験」に着目するというビジネス感覚に基づいた新しいビジネスコンセプトが、デジタル化によるソフトウエアの高度化と相俟って、今後もより付加価値の高いサービスビジネスがあらゆる業種・業態へ浸透していくことでしょう。

     

    その意味でも製造業自体も単なるものづくりから脱却したサービス産業化は避けて通れないプロセスになってきたようです。

     

    このサービス産業化の流れは本格的な脱炭素化を推進したい企業にとっても、極めて重要なものであり、この潮流をどのようにうまく自社の経営に取り入れることができるかが、脱炭素・カーボンニュートラル時代における企業の持続可能性を示す中核的な指標ともなることでしょう。

     

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      本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『データドリブン脱炭素経営』より一部を抜粋したものです。最新の税制・法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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