(※写真はイメージです/PIXTA)

2度の造血幹細胞移植を経て、2019年春に復職を果たした私立学校の理科教員、向井健一郎氏。本記事では白血病発症時の実体験について、費用面を中心に解説していきます。

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「がん特約」により3ヵ月は金銭的負担なし

私は、結婚したときから「医療保険」に加入していて、その医療保険のなかに「がん特約」を付けていました。これが良かったのです。おかげで「がんと診断された場合、200万円の一時金が支給される」ことになります。さらに、入院費用については「1日あたり1万円支給(60日まで)」が付いていました。

 

この保険から支給される額で、金銭的に負担のない状態が約3ヵ月は持ちそうでした。ほかにも手術や治療行為に対しても保険金が支払われるようなので、実際はどのくらいまで出るのか請求してみないとわからないですが、いずれにしても、入院してから3ヵ月後には、大部屋に移るか貯金を切り崩すかの判断が迫られそうでした。

 

テレビCMで「がん保険」について、タレントさんが「めちゃくちゃ大事」と言っていますが、本当に入っていて良かったと実感しました。現在の「がん保険」では、「先進医療」や「自由診療」にも対応したものがあるので検討してみたら良いと思います。その分、一時金は100万円かもしくはないものが現在は主流のようですので、そのあたりの詳細はご自身でしっかり確認してください。

 

また、入院日数ですが、白血病やリンパ腫を除くほとんどの「がん」の場合、入院日数は平均40日くらいで、20日〜60日が多いようです。だから、入院費用の限度は60日でも十分だと考えますが、私のような白血病や転移したり重症化したりする場合などを考えると、60日以降も補償されるものを選んだほうが良いかもしれません。

 

私の白血病は「フィラデルフィア染色体陽性の急性リンパ性白血病」という少し特殊な白血病なので、最初の段階での治療はステロイドと分子標的治療薬の2種類で薬物投与治療が行われていました。この段階での目標は「白血病細胞を10億個以下まで減らすこと」ですが、骨髄液検査とその後のPCR法による増幅検査によると「白血病細胞が100万個以下まで減っている」ことが確認されました。

 

目標を大幅に超えて、白血病細胞が減少していることになります。この結果を受けて、次の段階(地固め療法・強化維持療法)に進むわけですが、その前に現在の身体の状況を診るためにいろいろな検査を受けました。

 

血液検査・尿検査・レントゲン撮影のほかに、「下部内視鏡検査」(大腸カメラ)や「上部内視鏡検査」(胃カメラ)を初めて受けました。検査は痛かったり、気持ち悪かったりしましたが、特に問題点がないことがわかったので良かったです。

 

検査を一通り終えたところで、主治医の先生から、「これまで順調に経過しているので、次の段階に移るまでの9日間、一時退院することにしましょう。自宅療養でリフレッシュしてください」と言われました。

 

「えーっ、退院できるんですか?」

 

また驚きました。こうして、私は9月1日から9日までの9日間を自宅で療養することになりました。

 

しかし、これは半年後にわかったことですが、最初の時期に「自宅療養」を選択するか、それとも選択しないで入院を継続するかは、大きな違いをもたらしました。

 

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本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『ボクは、笑顔でできている~多くの人に支えられて、白血病と闘うことができました~』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。最新の法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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