遺産の中に「太陽光発電設備」…相続税評価はどうなる?【税理士が解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

相続税の計算でもっとも難しいのが、相続財産の評価です。現金や預金は相続開始時点の残高が相続税評価額ですが、動産や不動産は財産の種類ごとで評価方法が異なります。今回は「太陽光発電設備」について解説していきます。

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太陽光発電設備の相続税評価額は一般動産として計算

太陽光発電設備とは、太陽光パネルおよび設置するための設備をいい、相続税の計算上は一般動産として評価します。

 

■原則的には太陽光パネルの相場価格を相続税評価額とする

一般動産の評価は、原則として相続開始時点の売買実例価額を評価額とします。そのため、相続開始時点で販売されている相続財産と同型の太陽光パネルの中古販売価格が相続税評価額です。

 

なお、太陽光発電設備の使用年数によっても販売価額は変わりますので、相続財産と同程度期間使用された太陽光発電設備を探す必要があります。

 

■実際の相続税評価額は再取得価額方式で計算

自動車など流通量が多い動産については、同型の動産の売買実例価額を見つけることは難しくありません。しかし、太陽光発電設備は流通量が少ないので、同型・同程度使用した太陽光発電設備を見つけるのは困難です。そのため、相場価格が確認できない場合には、再取得価額方式により相続税評価額を算出します。

 

再取得価額とは、新品財産の価額から経過年数に応じた減価償却費を差し引く計算です。太陽光発電設備の価値は、利用した年数分だけ減価償却費が大きくなるので、その分相続税評価額が下がります。なお、経過年数が太陽光発電設備の耐用年数を超えた場合には、財産評価額をゼロとします。

 

■太陽光パネルのローン残高は相続税の債務控除の対象

太陽光パネルは相続財産ですが、太陽光パネルを購入した際の借入金が相続開始時点で残っている場合には、そのローン残高の金額は債務控除の対象となります。相続税の対象となる課税価格は、相続財産から債務控除などを差し引いた金額です。

 

そのため、ローン残高があれば課税価格の減少に伴い、相続税額も減少します。

太陽光発電設備の敷地の相続税評価額の計算方法

亡くなった人(被相続人)の財産に太陽光発電設備の敷地があれば、その土地も相続税の対象です。そのため、相続税評価額の計算が必要になりますが、太陽光発電設備の敷地は一般的な土地とは異なる計算をします。

 

■太陽光発電設備専用の土地は雑種地として評価

太陽光発電設備専用の土地の区分は、雑種地です。雑種地とは、宅地などの土地区分にあてはまらない土地をいいます。

 

<雑種地以外の土地の区分>

・宅地

・田

・畑

・山林

・原野

・牧場

・池沼

・鉱泉地

 

雑種地の評価方法は「売買実例地比準方式」と「近傍地比準方式」の2種類があり、原則は売買実例地比準方式で評価します。

 

ただし、周辺地域に同種の土地の売買実例がない場合には、近傍地比準方式により相続税評価額を算出します。

 

■売買実例地比準方式の評価方法

売買実例地比準方式とは、近隣の同種(雑種地)の土地の売買実例から、方角・面積・利用状況などの要素を考慮して、評価額を算出する方法です。太陽光発電設備の敷地の売買が行われている地域であれば評価額を計算できますが、周辺に売買実例がなければ、この方式は利用できません。

 

■近傍地比準方式の評価方法

近隣地比準方式とは、周辺の土地の評価額を基にして計算する方法です。売買実例地比準方式は、雑種地の売買実例を参考にしますが、近傍地比準方式は周辺地域で一般的な土地区分の評価額を基に計算します。たとえば、周辺の土地が山林地帯だった場合、一度山林としての評価額を算出し、算出された価額を調整して評価額を算出します。

 

また、評価対象となる土地の場所によって土地区分は異なるため、市街地にある土地の場合は宅地並みの評価額、山林地帯にある太陽光発電設備の敷地の場合は山林の評価額が基準となります。

 

■太陽光パネルを自宅家屋に設置している場合は宅地評価

太陽光発電設備専用の敷地以外にも、自宅に太陽光パネルを設置しているケースがあります。自宅の屋根に太陽光パネルを設置している場合には、太陽光パネルは建物の一部とみなしますので、敷地の土地区分は雑種地ではなく宅地として評価します。

 

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税理士法人チェスター http://chester-tax.com

著者紹介

連載専門の税理士が解説~すぐに役立つ「相続税対策」実践講座

本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

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