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遺産相続で財産を受け取った場合や相続税を申告した場合は、年末調整や確定申告で何か申告する必要はあるのでしょうか。扶養に入っている配偶者が多額の遺産を相続したら、扶養から外れるのではないかと心配する声も。そこで遺産を相続した年の年末調整や確定申告について注意すべきポイントをみていきましょう。

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    年末調整・確定申告は相続税とは無関係

    年末調整は、企業や官庁などから給与を受け取っている人が年末に行う所得税の税額調整の手続きです。給与やボーナスからは所得税が源泉徴収されますが、この金額は概算であり、年末調整で本来納めるべき金額に調整されます。11月ごろから年末にかけて扶養控除、配偶者控除、保険料控除に関する書類が勤務先から配られるので、必要事項を記載して提出します。

     

    確定申告は、自営業者など年末調整の対象になっていない人が行う所得税の申告手続きです。毎年1月1日から12月31日までの所得について、所定の期間内に申告・納税します。年末調整をした人でも、一定の副収入がある人や医療費控除・住宅ローン控除(1年目のみ)などを受けたい場合は確定申告が必要です。

     

    年末調整と確定申告は所得税の手続きであり相続や相続税とは関係がないため、通常は遺産を相続したことを申告する必要はありません。

     

    なお、所得税と相続税は種類の異なる税金なので、多額の相続税を納めたからといって所得税が減額されることはありません。相続税の申告に誤りがあった場合は、相続税の修正申告(または更正の請求)を行います。年末調整で相続税の申告を修正することはできません。

     

    〇年末調整・確定申告は所得税に関する手続きで相続や相続税とは無関係

    〇相続税を納めたからといって所得税が減額されることはない

    〇相続税の申告を年末調整で修正することはできない

     

    1億円以上の有価証券等を非居住者が相続した場合は…

    通常、年末調整や確定申告では遺産を相続したことを申告する必要はありませんが、例外もあります。国外転出時課税制度では、1億円以上の有価証券を所有している人が国外に転出する場合にその含み益に対して所得税が課税されます。相続についても適用があり、条件に当てはまる場合は遺産の相続であっても確定申告が必要になります。

     

    亡くなった被相続人が所有していた1億円以上の有価証券等を非居住者(国外に住んでいる人など)が相続した場合は、その有価証券等の含み益に対して所得税が課税されます。課税の対象になった場合は、被相続人の死亡から4ヵ月以内に準確定申告をする必要があります。通常の年末調整・確定申告とは手続きが異なるため注意が必要です。

     

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    次ページ遺産を相続しても所得が増えたことにはならないが、所得をもたらす財産を相続した場合は要注意!

    本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

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