少しずつ動き始めた「シャッター商店街」の再生
いずれ誰かがそこに住んだり、何かの店を開いたりするつもりなら、そのままにしておくのも選択肢の一つだ。しかし、そういった予定がまったくないシャッター商店だったら、売却してしまうのが所有者のためでもある。また、売却されたシャッター商店が別の用途の不動産に開発されれば、その地域社会にとっても好ましいことではないか。
このように考えてくれる人が多ければ、寂れているシャッター商店街はスムーズに蘇るはずだが、現実にはそうなっていない。それでも、少しずつ動き始めているようにも感じる。その理由は、先にも述べたように相続だ。
シャッター商店街で店舗を営んでいた方の多くは、「団塊の世代」以上の年代の方々である。彼らの多くはすでに後期高齢者となっている。今後、相続がそれこそ「団塊」になって発生しそうだ。そして、そういった旧店舗を受け継いだ団塊ジュニアなどの世代が、負動産を思い切って手放す決断をすればいいのだ。
2050年頃には、団塊世代の方々のほとんどが鬼籍に入っている。その頃には、地上げが進んだことで整然とした街並みに生まれ変わった、かつてのシャッター商店街を眺めることができるのだろうか。
榊 淳司
住宅ジャーナリスト
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