オミクロン株への懸念広がるも、好業績を記録…「フィリピン株式」注目銘柄

12月13日週「フィリピン株式」レポート

オミクロン株への懸念広がるも、好業績を記録…「フィリピン株式」注目銘柄
写真:PIXTA

オミクロン株への警戒から先行き不透明感が増している世界の株式市場。そのなかでフィリピンでは、建設・開発ニーズが顕著であり、プロジェクトにかかわる企業が注目されています。一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターである家村均氏によるレポートです。

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オミクロン株の影響がフィリピン株式市場にも

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フィリピン株式総合指数は、世界で広がるオミクロン株ウイルス影響で投資家心理がネガティブになり、一旦節目の7000を割り込みましたが、その後やや持ち直し、7100レベルの展開です(フィリピンでは12月9日時点で未確認)。

 

ただ、オミクロン株については、まだわからない部分が多く、市場がもっとも嫌う不確定要因です。我々もしばらくは情報を注視する必要があります。そのようななか、材料が出てきている銘柄についてみていきましょう。

顕著なインフラ需要の波に乗り、大幅増益を記録

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インフラ建設ブームの波に乗っている企業「Phinma Corporation(PHN)」です。同社の2021年9ヵ月間の純利益が14億5,000万ペソとなり、前年同期の1億3,220万ペソか大幅増益になっています。連結売上高は、前年同期の87億7,000万ペソから37%増の120億3,000万ペソで、売上総利益率は23.3%から28.3%に改善しています。

 

特にインフラ建設需要に支えられた建設資材グループの連結売上高は92億8,000万ペソで、前年同期の74億3,000万ペソから24.8%増加しました。大学運営(アローロ大学、パンガシナン大学、サウスウェスタン大学)の教育グループの売上高は32%増加し、7億3,400万ペソの純利益を計上しました。不動産グループは、前年同期の3,128万ペソの純損失から1,090万ペソの純利益に黒字転換しました。

 

今後の見通しについても、バラ色の展開になってきています。同社は、年率20%程度売上を伸ばしてきましたが、営業利益率も14.1%、EBITDAマージン率も17.9%と、それぞれ2桁の水準に達しています。「PHN」の売上の83%を占める建設部門は、第2四半期の好調な業績を受けて勢いに乗っています。政府は、2022年に向けて1兆8,000億ペソをインフラプロジェクトに割り当てており、インフラ整備は引き続き最重要課題です。

 

こういったフォローウィンドに乗って、株価は急上昇していますが、まだアップサイドの可能性があると考えられています。5年間平均のPERが12.16倍であるのに対し、PHNの21年PERは4.84倍です。

総額400億ペソの投資を行う、注目の大手不動産

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大手不動産ディベロッパー「Megaworld(MEG)」は、パラワン州のパラグア・コーストタウンにある462ヘクタールのエコツーリズムタウンシップの開発に着手します。今後10~15年の間に総額400億ペソの投資を実行し、今後5年間の「MEG社」の不動産販売の成長を支えることになります。

 

「MEG社」は、各セグメントへの多様な積極投資とマニラ首都圏以外の地域での開発にも積極的に取り組んでいます。しかしながら、オミクロン株の影響で、不動産部門の建設進捗の遅れが生じる可能性がリスクです。「MEG社」の経営陣は、既存の自社株買いプログラム(80%が未使用)を通じて、株式に対する売り圧力を緩和することを検討しています。

 

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※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

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