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原油高騰が直撃するフィリピン経済の構造的脆弱性
中東情勢の緊迫化に伴い、世界的なオイルショックへの警戒感が強まっています。その影響を特に深刻に受けると目されるのが、アジア太平洋地域の中でもフィリピンです。シンクタンクINGは、同国が石油価格の変動に対し、周辺国と比して際立って脆弱な経済構造を抱えていると指摘しています。
その背景には、インドネシアやタイ、インドが維持する燃料補助金や価格規制が、フィリピンには殆ど存在しないという実情があります。国内の燃料小売価格は市場原理に委ねられており、国際価格の上昇が消費者の家計に即座に反映される仕組みです。実際、国内の小売業者はディーゼル等で10週連続、ガソリンでも8週連続の値上げを断行しており、国民生活への圧迫は一過性の懸念に留まりません。
統計が示す脆弱性は明白です。フィリピンは石油供給の9割超を中東からの輸入に依存しており、石油価格が10%上昇するごとにインフレ率は最大0.4ポイント押し上げられると試算されます。昨年末まで安定していた物価も、エネルギー・電気代・主食の米価格が同時反騰する中で、中央銀行(BSP)の目標上限(4%)を突破しかねない情勢です。さらに原油高は輸送費を通じた「二次的インフレ」を誘発し、ペソ安に伴う輸入コスト増という悪循環を招きます。中東に拠点を置く約240万人の自国労働者からの送金が、紛争で減少に転じるリスクも無視できない脅威です。
事態を重く見たマルコス大統領は、ドバイ原油が1バレル80ドルを超えた際、石油製品の物品税を迅速に減免できる「特別権限」を議会に要請しました。現在の価格は70ドル台後半で推移していますが、さらなる高騰に備えた先手の政策カードと位置づけ、「危機収束後に廃止する時限措置」である点も強調しています。財務局は中東紛争がGDP成長率を最大0.25ポイント押し下げると試算しており、原油が85ドルを超えた場合は年間成長目標(5〜6%)の下方修正も不可避との見解を示しています。
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