【鉄道遺構出土で調査中】「高輪ゲートウェイ」駅西口
JR山手線内では49年ぶりの新駅として華々しく誕生した「高輪ゲートウェイ」駅。開業から1年が経過した駅周辺を眺めてみると、駅西口(港区高輪側)・東口(港区港南側)ともに鋭意工事中の様子です。
東口には「芝浦水再生センター」があるため、道路整備程度で工事終了と思われますが、西口は都営浅草線「泉岳寺」駅と向かい合う商業エリアですから、今後の展開を期待しないわけにはいきません。
西口の土地はJR所有の車両基地跡地で、現在は一部に「Takanawa Gateway Fest(高輪ゲートウェイフェスト)」という期間限定のイベントスペースが設けられています。駅が開業した2020年は、ここで新駅記念イベントや東京オリンピック・パラリンピックのパブリックビューイングが予定されていましたが、コロナ禍により規模を縮小しての開催、延期または中止になっています。
高輪ゲートウェイフェストとしての利用期間終了後は、再開発事業である「品川開発プロジェクト」が本格始動します。
第Ⅰ期では1街区から4街区までの工事が行われ、1街区には住宅・教育施設、2街区には文化創造施設、3街区には商業・生活支援施設、4街区にはホテル・コンベンション・カンファレンス・ビジネス支援施設と、それぞれの施設カテゴリーを網羅した4棟のインテリジェントビルが建ち上がります。
第Ⅰ期の完成予定は2024年で、これと同時に高輪ゲートウェイ駅はグランドオープン(まちびらき)となります。
しかし、同駅のグランドオープンまでには解決すべき大きな課題があります。それは開発地内で出土した鉄道遺構「高輪築堤」跡の取り扱いです。高輪築堤は日本初の鉄道路線の一部で、明治時代に描かれた錦絵にも登場するほど歴史的価値の高いものです。
出土直後から遺跡研究の専門家チームが現地入りして調査を行い「出土現場で保存すべき」との見解を表わしていますが、再開発事業者は「工事を優先して移築保存」を主張、現在も議論が重ねられています。