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ポイント①:交通・生活の利便性をチェックする
アパート経営において最も重要なのは「立地」だといっても過言ではありません。
入居者の日常生活や通勤の利便性を考えると、鉄道の駅に近い(徒歩10分圏内)ことが大きなアドバンテージとなります。しかし、都心に近い駅だけが「好立地」というわけではありません。たとえば、「急行」や「快速」の停車駅から少し離れていたとしても、交通の便が良いターミナル駅や始発が出る駅の周辺は人気が高いため、入居者が集まりやすいのです。
また、「街の属性」を見極めることも重要になります。物件の近くにスーパーマーケットや商業施設があれば、若者や、一人暮らし層に好まれるでしょう。公園が近くにあること、教育施設からのアクセスが良いことなどは、ファミリー層の入居に影響を与えます。また、公共施設の有無も重要な要素です。
ちなみに、どの層の入居者からも不人気なのが「バス路線」沿いです。停留所から徒歩10分圏内であったとしても、電車の最寄り駅まで徒歩20分以上かかり、バス以外の公共交通機関でアクセスするのが難しい……といった場合、思うように入居者が集まらないケースが多いのです。よって、融資の審査の際、銀行の評価が低くなることも予測されます。
ポイント②:土地や道路の要件を把握する
いくら好条件の土地を見つけたとしても、建築基準法で定められた用途制限により、地域によってはアパートを建てることができない場合があります。
「都市計画区域外」「市街化調整区域」「工業専用地域」には原則としてアパートを建てることができません。また条例などでアパート建築を制限されている場合もあります。たとえ、立地が良かったとしても、銀行からの融資が下りなければ本末転倒です。インターネットで都市計画を公開している自治体も増えているので、購入前に確認しておきましょう。
また、「再建築不可物件」や、道路であるものとみなすことにされた「みなし道路」、いわゆる「2項道路」については、特に注意が必要です。セットバックが必要となり、理想のアパートを建てることができない可能性があるので、事前の調査をおすすめします。
ポイント③:市場の需要を見極める
大学・工場の近辺には多数の賃貸物件が存在します。実際に住んだことのある方も多いのではないでしょうか。
上記のような、特定の施設に賃貸需要を依存している物件は、施設がある間は良くても、移転や閉鎖などにより、新規の入居者を探すことが難しくなる可能性を秘めています。大学や工場などの近隣は、安定的な賃貸需要が見込める立地である一方、将来的な空室リスクも内包していると心得ておくべきです。
また候補地とその近隣の開発計画もリサーチしておくべきです。大規模な再開発計画があれば、今後大幅な賃貸ニーズの増加が期待できます。一方、道路の拡張工事の対象になっているなど、アパート経営においてマイナスに働く開発計画が予定されている場合もあります。
土地探しの際には、候補地の役所などに、今後、どのような都市開発が計画されているか、問い合わせておくと安心です。
ポイント④:災害リスクを確認する
近年、温暖化の影響からか、「スーパー台風」などと呼ばれる超大型の台風が頻発しています。洪水リスクに対する関心も高まり、地域のハザードマップを確認したという人も多いのではないでしょうか。
このようななか、宅地建物取引業法施行規則の改正が行われ、2020年8月28日から、住宅購入や賃貸など、不動産を取引する際には、ハザードマップに基づいて物件所在地の水害リスクを説明することが義務付けられました。現在、ほとんどの自治体のウェブサイトなどで閲覧可能になっています。
このほか地震や液状化、土砂災害などについても各自治体でハザードマップがつくられ、地域の災害リスクをチェックできるようになっています。ひとたび災害に見舞われると巨額の修繕費がかかるだけでなく、風評被害から空室リスクが高まることも考えられます。ハザードマップなどを駆使して候補地周辺の災害リスクをチェックすることは、土地探しの基本といえるでしょう。