「オミクロン」ショック
主要指数は年初来最大の下げ幅を記録
■先週末26日の米国株式市場は、南アフリカなどで見つかった新型コロナウイルスのオミクロン変異株(以下、オミクロン型)に対する懸念から大幅な下落となりました。S&P500種指数は前週末日比▲106.84ポイント、NYダウは同▲905.04ドルとそれぞれ今年最大の下げ幅を記録しました。
再び大型グロース株に回帰か
長期金利の上昇抑制が手掛かり
■週明け29日の株式市場は、前週末の急落の反動から買い戻しが入り、一旦は落ち着きを取り戻しています。特にNASDAQ100指数は前週末比+2.3%と先週末の▲2.1%を埋めるなど、大型グロース株が総じて堅調でした。最近上昇していた実質金利も再び▲1%台に低下しました。オミクロン型に対する懸念は、長期金利の上昇を抑制する方向に作用しやすく、大型グロース株にとっては追い風となる可能性があります。
中期的な株価上昇期待は持続
■米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は「オミクロン型の深刻さが判明するまでに2週間かかる」と述べています。今後、オミクロン型の感染力や重症化リスク等について明確な情報が得られるまで、米国株式市場はややリスクオフに傾いた流れが続くと思われます。
■ただ、バイデン大統領はオミクロン型に対してパニックになる必要はないとし、12月2日にこの冬の対新型コロナウイルス戦略を明らかにすると述べています。また、12月はメルク社の経口治療薬の供給が開始される可能性も高まります。今後、オミクロン型の感染拡大が見込まれますが、対処法が明確化すれば、金融市場の動揺は次第に落ち着き、中期的な株価上昇期待は維持されると考えられます。
※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『「オミクロン」と米国株式市場』を参照)。
(2021年11月30日)
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