その場合、重要になってくるのが周りでかかわっている人々と本人との人間関係です。
Kさんについて考えてみると、Kさんと私たちをまず結び付けてくれたのはケアマネジャーです。
Kさんに怒鳴られながらもKさんのために走り回ってくれました。何度ヘルパーステーションを変更したことでしょう。またヘルパーの皆さんは完璧な仕事を求められたうえに突然自分勝手に暴言を吐き、物盗られ妄想もあるKさんにとても寛容に接してくれました。
看護師たちは表面的なKさんの素顔ではなく、Kさんの本質を理解しようと努力してくれました。医療ソーシャルワーカーは行政との橋渡しをしてくれました。Kさんを失望させないように医師もそれなりに努力しましたが、これら全ての職種がうまく噛み合ったからこそKさんの看取りができたのだと考えます。
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矢野 博文
1957年7月徳島市生まれ。1982年川崎医科大学を卒業。以後病院で麻酔科医として勤務。2005年3月よりたんぽぽクリニックで在宅医療に取り組む。
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