税務署から届く「相続税のお尋ね」…送付の基準と“重加算税”がかかるポイントを税理士が解説 (※写真はイメージです/PIXTA)

相続が起こってから半年ほどたつと、税務署から「相続税のお尋ね」が送られてくることがあります。突然届き、「基準は何なのか?」「無視したらどうなるの?」と疑問に思う方も多いようです。きちんと対応しなければ“重加算税”がかかることもある「お尋ね」について、辻・本郷税理士法人の山口拓也氏が、事例とともに解説していきます。

「相続税の税務調査」調査官は“いつ、なにを”見てやってくる?【税理士が解説】

税務署から突然送られてくる…相続税の「お尋ね」とは

相続税の申告に携わっていると、お客様から「税務署からこんなものが来たんだけど…」と、お尋ねの文書を見せていただくことがあります。

 

「お尋ね」とはなんですか?とよくご質問をいただきますが、これは相続税がかかりそうな方へ「本当に申告が必要ないのかどうか」確認することを目的として税務署から発送されているものです。財産内容を記載した上で、税務署に返送する必要があります。

 

送付先は、死亡届をもとにして選定していると考えられます。「税務署には相続の有無はわからないでしょ」と言う方がよくいらっしゃるのですが、決してわからないものではないのでご注意ください。

 

最近ですと、「財産債務調書」についてのお尋ねがわたしのお客様のところにもちらほら来ているので、相続税以外の税目についても注意が必要です。

 

さて、お尋ねは、具体的には「相続税申告のご案内」「相続税についてのお知らせ」といった題で送付されます。

 

「ご案内」はほぼ相続税がかかると思ってよい方へ、「お知らせ」はかかる可能性がある方へ送られます。

 

税務署にはKSK(国税総合管理)システムというものがあり、ここからデータを集めて発送しています。このシステムのなかには、過去の申告状況(所得、不動産・株の譲渡など)、支払調書、退職金・役員報酬、といった、その方にどのくらいの所得・財産があるのかを検討するためのデータが入っています。

 

相続税の申告をする方は、お尋ねを返送する必要はありません。お尋ねの内容をよく見ると、「相続税の申告をしない方は、記載して税務署に出してください」と書いてあります。

 

基礎控除額を超えず申告しないという方のみ、金額を書いて出す必要があります。

 

以前、「お尋ねが来なかったら申告しなくていいんでしょ?」と聞かれたことがありますが、答えは×です。必ずしも、あてはまりそうな人全員へ送っているわけではないので、来なかったからといって申告しなくていいわけではありません。

 

それから、「間違えて書いてしまったらどうなるか」についてですが、財産の金額が基礎控除を下回っていて、相続税がかからないのであれば、多少間違えてしまっても問題ないと考えられます。

 

ただ、本来相続税の申告をしなければならないのを、あえて隠して申告した場合、重加算税が課税される可能性がありますので、財産を隠すことは絶対にしてはいけません。

辻・本郷 税理士法人 シニアパートナー 税理士

2007年 辻・本郷 税理士法人 入所
2008年 税理士登録
2017年 埼玉・新潟 エリア長に就任
2018年 執行理事(現・シニアパートナー)に就任
主に資産税や事業承継対策、法人顧問の税務に取り組んでいる。大原簿記学校での非常勤講師としての経験を活かし、金融機関にてお客様向けのセミナーや、行員勉強会の講師も務めている。

著者紹介

連載税理士が解説!「正しい納税の知識」

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧
TOPへ