「相続税の税務調査」は年末に向けラストスパート…申告の漏れやすい「2つの項目」を税理士が解説 (※写真はイメージです/PIXTA)

年末でラストスパートに差し掛かる、相続税の税務調査。ここでは相続税申告の漏れやすい“2つの項目”について、辻・本郷税理士法人の山口拓也氏が解説していきます。

「相続税の税務調査」調査官は“いつ、なにを”見てやってくる?【税理士が解説】

相続税申告が漏れやすい…保険は“契約の形態”に注意

相続税申告が漏れ、税務調査となりやすい2つの項目をご紹介します。

 

1つ目は保険です。契約の形態は様々ですが、最もオーソドックスなのは【契約者:夫(本人)・被保険者:夫(本人)、受取人:妻や子供】というケースです。

 

被保険者が亡くなった夫ご本人である場合には死亡保険金がおりますので、申告が漏れることはあまりありません。死亡保険金は「500万円×法定相続人の数」分の金額が非課税となるので、相続対策として使っている方が多いと思われます。

 

一方、「死亡保険金がおりないにも関わらず相続税の対象になる」ものは申告が漏れやすくなります。

 

【契約者:夫(本人)、被保険者:妻や子供、受取人:夫(本人)】というケース、つまり夫が妻や子供に保険金をかけているケースでは、契約者として保険料を払っているのが夫であるため、「生命保険契約の権利」が相続財産の対象になります。しかし被保険者が亡くなったわけではなくまだ保険金はおりないため、申告が漏れやすくなるのです。

 

「生命保険契約の権利」の相続税評価は原則、解約返戻金でおこないます。

 

また、名義上は【契約者:子供、被保険者:子供、受取人:孫】でありながら、保険料を払っていたのは亡くなった父だったという場合も、相続財産になり得ます。

 

お父さんご本人の契約だったのを、途中で契約者を変える手続きを経て上記のような形になっているケースも少なくありません。

 

保険については、通帳から保険料が出ているかどうかなどからチェックがされるのですが、20年、30年前に一括払いで契約されていてしかも証券がわからないところにしまってある、というケースも多いです。申告の際には、お付き合いのある保険屋さんに確認することが必要です。

 

【契約者:父(本人)、被保険者:子供、受取人:父(本人)】の場合には誰が相続するのかは遺産分割協議で決めますが、契約者の名義が子供、あるいは孫に変わっているケースでは契約者の方が自動的に取得したものとみなします。よって、分割は必要なくなります。

 

また、2021年7月より、「生命保険契約紹介制度」が創設され、亡くなったご本人が契約者及び被保険者となっている保険契約の有無を確認できるようになりました。

 

名義がお孫さんの場合、二割加算の対象になることもありますのでご注意ください。

辻・本郷 税理士法人 シニアパートナー 税理士

2007年 辻・本郷 税理士法人 入所
2008年 税理士登録
2017年 埼玉・新潟 エリア長に就任
2018年 執行理事(現・シニアパートナー)に就任
主に資産税や事業承継対策、法人顧問の税務に取り組んでいる。大原簿記学校での非常勤講師としての経験を活かし、金融機関にてお客様向けのセミナーや、行員勉強会の講師も務めている。

著者紹介

連載税理士が解説!「正しい納税の知識」

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