(※写真はイメージです/PIXTA)

未支給年金には相続税がかかるのでしょうか。相続税の税務調査にて、通帳を確認していた調査官より課税漏れを指摘された事例とともに、辻・本郷税理士法人の山口拓也氏が解説していきます。

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調査官から「これって未収金じゃないですか?」結果…

税務調査の際、税務署の方とお話した「未支給年金」について解説していきます。

 

ある調査で、調査官が亡くなった方の通帳を見ていたところ、亡くなったあとに年金の入金があったのを発見しました。

 

それについて「これって未収金じゃないですか?」と尋ねられました。

 

一般に相続財産のなかには、被相続人が生きていれば受け取るはずだったお金(確定申告の還付金など=未収金)も含まれます。

 

ただわたしは、そのお金は国民年金の未支給だと思っていたため、「これは『未支給年金』なので相続財産ではないのでは?」と反論しました。

 

老齢基礎年金(国民年金)の受給者が亡くなり、死亡後に振り込まれた年金を遺族が受け取った場合、「亡くなった方に支給されていない年金」のことを未支給年金と言います。未支給年金の請求権は遺族の固有の権利とされていて、相続財産にはなりません。

 

公的年金は、受給者と家族の生活を保障するために、そして受給者が死亡した場合は遺族の生活を保障するために支給される、という趣旨をもつためです。

 

後日、もう一度その調査官にお会いすると、「すみません、個人年金だと思っていました」と言われました。相続財産に含まれる、個人年金かなにかだと思っていたようです。国民年金であったため、結果的にお咎めがなかったケースでした。

「未支給年金」遺族が受け取る際の『注意点』

未支給年金には相続税は確かにかからないのですが、ひとつ注意点があります。受け取った遺族の方の一時所得となるため、相続税ではなく所得税の対象になるという点です。

 

課税対象となる金額は、下記の計算式で求められます。


◎(収入-経費-50万円)×1/2 

 

年金なので「収入」にあたるのは10万円前後であることが多く、50万円の範疇に入るため、課税されるケースはほとんどないかと思います。

 

ですが、貰った方に他に一時所得がある場合は、それらと合算して考えます。保険の解約や満期があれば、それらも含めて判定しなければなりませんので、ご注意ください。

 

 

■動画でわかる「未支給年金には相続税はかかる?」

 

 

 

辻・本郷税理士法人 シニアパートナー 税理士

山口 拓也

 

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