夫の死去後に判明…まさかの「生命保険金の受取人」登場で“困った”ワケ【税理士が解説】
「葬儀費用」は遺産から差し引けるが…
相続税の申告にあたって、税理士はお客様にさまざまな資料の用意をお願いします。遺産の全貌を把握し、債務控除として差し引けるものは差し引いて申告するためです。
葬儀費用は債務控除の対象となるため、お通夜、お葬式に関係する書類も用意していただきます。
お客様には、どれが相続財産から差し引ける費用なのか判断いただくのが難しいため、とりあえず全部送ってもらってから税理士が引けるものかどうか判断することもあります。
「お墓」の領収書を送っていただくこともあります。「これも引けるんですか?」と聞かれるのですが、基本的に引くことはできません。説明すると、「そうだったんだ…」と驚かれる方が多い印象です。
お墓は非課税財産で、お葬式費用とは関係がないのです。相続税の計算上、お葬式費用として引くことはできません。
ただ、生前に買っておけばその分現金が減り、お墓自体は非課税財産になるため、「相続対策」になります。
「お墓、墓石、仏具などは非課税になる」と相続税法12条に規定されているのです。この12条にはほかに死亡保険金の非課税などが規定されています。
仏具関係でも、投資目的で購入されたり、骨董品的な価値があったりするものは非課税にならないので、この点には注意しましょう。
実際、わたしが立ち会った案件でも、金でできたおりんや仏は「金としての価値があるため非課税にならない」として、相続財産の対象として申告しました。
お墓の生前購入で、相続税が軽減
最後にひとつ、簡単な例を見ていきましょう。
相続が発生した際、被相続人が1億円持っていたとします。
相続人の方に「お葬式費用100万円、法要費用30万円、墓地200万円」の領収書をもってきていただいても、基本的には葬式費用しか引くことはできません。
しかし相続が起こる前にお墓を購入していた場合、当然財産は9800万円に減ります。相続税がかかる財産が減り、相続税も軽減されることになります。
お墓の生前購入という相続対策。購入のタイミングを決めるのはなかなか難しいかもしれませんが、頭の隅に置いていただければと思います。
■動画でわかる「【相続対策】お墓の生前の購入の勧め」
辻・本郷税理士法人 シニアパートナー 税理士
山口 拓也