(※写真はイメージです/PIXTA)

相続対策として生前贈与をしていても、税務調査によってひっくり返されてしまうことがあります。ここでは辻・本郷税理士法人の山口拓也氏が「相続税の税務調査」がやってきた際の当日の流れや、見られるポイント、問題があった場合に課されるペナルティについて解説していきます。税務署の方の着眼点を抑え、正しく贈与をし、指摘されないようにしていきましょう。

「名義預金じゃないですか?」…現物調査がスタート

13時になると調査官が戻ってきて、午後は現物調査がおこなわれます。調査されるのはまず通帳、印鑑、保険証書などの証券関係、不動産の権利書などです。

 

通帳については事前に調査官が銀行へ行って確認してきます。通帳にはメモが書いてあることがありますよね。例えば10万円引き出しがあって「3月分」、次の月にまた10万円分引き出しがあって「4月分」、とあるとこれは生活費ですね、となります。このようなメモをチェックしているのかと思われます。

 

それなら、通帳にメモをしないほうがいいですか?というご質問がよくあるのですが、メモがあると証拠となってかえってよいように思います。

 

そして、印鑑も紙に陰影をとっていきます。亡くなった方と家族の実印、銀行印、認印が必要となります。

 

以前、「亡くなったお父さんの認印です」と出して陰影をとったものに、「このハンコ、孫の太郎ちゃんのXXX銀行XXX支店の通帳の印鑑ですよね?」といわれたことがあります。

 

そうすると、孫の太郎ちゃん名義の通帳は亡くなったお父さんがつくったものとなるので、そこに110万円くらい貯まっていると「これって名義預金じゃないですか?」といわれてしまいます。印鑑も非常に大事です。

 

続いて、保険証券についてです。不明出金を見ていっても、どうしてもわからない出金があったとき、不明出金と保険契約を並べていくと、一致するケースがあります。

 

仮に500万円の不明出金があって、出金日と奥さん名義の保険の契約日が同じだと、「奥さんの保険は旦那さんのお金が原資だったんですよね?」と問われ、奥さん名義の保険は実は相続税の申告に入れなければならないものだったとされます。

 

最後に、権利書についてです。権利書は自宅の大事な部分にあるので、その周辺をみていると現金が出てきてしまうことがあります。そうするともちろん「これは誰のお金ですか?」と問われます。

 

また権利書にはお金の使途が書いてあることがあります。子どもの名義だったけれども実は亡くなったお父さんが出していたと発覚し、問題となってしまいます。

次ページ調査が終了…「修正申告」と「課されるペナルティ」

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