(※写真はイメージです/PIXTA)

アパート経営においては、万が一のときのために「相続」について、考えておかなければなりません。アパートの相続の選択肢は大きく分けて2つ。「売却する」か、「経営を続ける」かです。今回は、売却、経営のいずれかを選択した後の手続きや税務について、事例を通じて見ていきます。

アパート売却に向けて準備するべきことは?

1.売る前の準備:まず、相場を調べ、希望の売却金額・売却時期を考えます。また、謄本や権利証などの必要書類を揃えておきます。また、借入金融機関への事前相談も検討すべきです。借入金融機関から信頼できる不動産業者を紹介してもらうことができますし、繰上げ返済手数料の有無について確認することで、総費用の算定にもつながります。

 

2.査定依頼:不動産会社に査定をしてもらいます。

 

3.不動産会社との契約:不動産会社と媒介契約を結びます。複数社と契約を結ぶことも可能です。

 

4.売却活動開始:不動産会社に買い手を探してもらいます。会社によって、買い手がすぐにつかないこともあるので、事前に調査しておくと良いでしょう。

 

5.売却契約:買い手と交渉し、売却金額や引き渡し時期を決め契約を結びます。

 

6.決済:買い手が代金を支払い、登記を変更します。

 

7.引き渡し:買い手にマンションを引き渡します。この後、確定申告などの手続きを行います。

アパート相続に向けて準備するべきことは?

家族や親族間で問題になることが多い「相続トラブル」。未然に防ぐ切り札になるのが、「遺言書」です。財産の行方をきちんと文書に残しておくことで、家族間のトラブルを予防することができます。

 

「遺言書」を作成するメリットは、大きく2つあります。

 

①遺産分割協議なしで相続手続きが完了する
②相続手続の負担を軽減し、円滑な遺産の名義変更が可能

 

相続時のトラブルは、ほとんどが「遺産分割協議」によるものです。事前に遺産の行末について意思表示を行うことで、相続手続きが円満になるのです。

 

また、本来相続手続で必要となる膨大な数の戸籍謄本の収集や、相続人全員による遺産分割協議書の作成、さらには相続人全員の印鑑証明書の収集といった非常に大変な作業を省略することができ、遺産名義変更等の相続手続がスムーズに完了することもメリットのひとつです。

 

遺言書は、主に自筆証書遺言、公正証書遺言の2種類に分類することができます。

 

自筆証書遺言はいつでも気軽に書けて、作成費用が掛からないぶん、作成の不備で無効になることや、改ざんの可能性が否定できないために検認手続きが必要になる、というデメリットがあります。管理や作成に不安がある方は、公正証書遺言を作成することをおすすめします。

 

所有物件の現状や環境、また相続人の意思を確認したうえで、所有、売却の選択を行うようにしましょう。

 

 

野村・多賀谷会計事務所 税理士
AFP

宮路 幸人氏 監修

 

 

本記事は『アパート経営オンライン』内記事を一部抜粋、再編集したものです。

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