(※写真はイメージです/PIXTA)

アパート経営は、物件を取得し、入居者さえ決まれば楽に家賃収入が得られると考えている人も多いでしょう。しかし高入居率を維持し、安定した経営を維持するためには、入居者とのトラブルやクレームにも対応していかなければなりません。入居者の不満を放置していると、退去につながり、空室リスクを高めることになるからです。今回はアパートオーナーに実際に起きた2つの「入居者トラブル」を、防止策とともに紹介していきます。

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コロナ禍で急増する、隣人との「騒音トラブル」

アパート経営を始めて5年目の大木さん。周囲の掃除を毎日徹底し、住民からも「住み心地が良い」との評価をもらっていました。ところが――。

 

「私、コロナでリモートワークになったんですけど、日中お隣の子がずっと騒いでいて集中できないんですよ。注意してもらえませんか!?」

「壁伝いにパソコンのキーボードのカタカタ音が聞こえてきて頭がおかしくなりそうです」

「上の階の人が朝からドスンドスン暴れていてうるさい」

 

世間が自粛モードになった頃から、大木さんのもとには住民からのクレームが殺到するようになったのです。驚いた大木さんは急いで入居者全員に向けた「防音についてのお願い」を掲示板に貼りだしました。ところが改善される様子はなく、相変わらず大木さんの電話は鳴りやみません。

 

「どうすればいいんだ……」

 

大木さんは、がっくりとうなだれてしまいました。

購入時に要チェック「防音設備」「生活騒音の時間帯」

上階からの足音や隣室からの物音などが原因で、入居者トラブルが起きることはよくあります。ある程度の生活音であれば「お互い様」で済ませられる面もありますが、行き過ぎるとやはりクレームに繋がり、隣人トラブルを引き起こしかねません。

 

このような事態を起こさないためには、投資物件を内見する段階から、管理会社に「防音設備が整った構造なのか」を確認しておくことをおすすめします。

 

防音性に優れているのは木造より、鉄筋コンクリートの物件です。しかし、壁にパネルが使われている場合は隣室にテレビの音が伝わってしまう可能性があります。また、窓の位置やガラスの厚さ、使っている床材やドアの構造も影響します。ぜひ、このような点に気をつけて満足のいく物件を見つけてください。

 

また、生活騒音については、曜日や時間帯によっても異なります。購入物件は日を替え、時間を替え、事前に入念なチェックを行うことをおススメします。

 

しかしながら、これまで特に気にならなかった騒音が、リモートワーク等の増加により顕在化する例も急増しているようです。生活騒音には法律による規制がないため、トラブルはより深刻化してしまうこともありますが、このような時に頼れるのは信頼できる「管理会社」となります。

 

アパート入居者間の感情的な対立には、トラブル対応に手慣れた「管理会社」が間に入ることで解決するケースがあります。とはいえ、どこが手慣れた管理会社が分からないといった方が大半と思われますので、不動産業者や金融機関へ相談し、管理会社を紹介してもらうことも1つの方法と言えるでしょう。

 

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本記事は『アパート経営オンライン』内記事を一部抜粋、再編集したものです。

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